あなたは食事についてきっと何かを考え直すはずです。

 

68歳の男性の話です。

長年1人暮らしを続けていました。

1人分の食事にわざわざ手間をかける必要なんてない。

よくそう言っていました。

しかし3ヶ月前その自由な生活は突然終わりを告げました。

自宅の玄関にあるたった10cmほどの段差。

毎日何百回と超えて来たはずのあの小さな段差で、そのまま転倒し骨折。

しかし問題はその後でした。

リハビリが思うように進まなかったのです。

検査の結果を見た医師は静かにこう言いました。

筋肉量が同年代の平均よりもかなり少ないと。

本人はもう68歳だから仕方ないと。

でも本当にそうでしょうか。

年齢だけが原因だったのでしょうか。

毎朝何を食べていたのか。

昼は何で済ませていたのか。

 

散歩の後に何を飲んでいたのか。

 

夜は何を食べて何を飲んでいたのか。

その1つ1つを丁寧に聞いていくと、病気で突然弱ったのではありませんでした。

毎日のごく普通の食事の積み重ねによって、少しずつ静かに自分の筋肉を削り続けていたのです。

ここで1つ知っておいて欲しい事実があります。

60歳を過ぎると筋肉は若い頃の半分以下になると言われています。

つまり同じ食事をしていても、30代の時より筋肉が失われやすい体になってるのです。

にも関わらず多くの方が20年前と同じ感覚で食事をしている。

これが静かなお年穴です。

お伝えするのは特別な話ではありません。

60歳を過ぎた方が毎日何気なくやっている。

しかし筋肉を確実に弱らせている食事の習慣です。

あなた自身あるいは大切な家族に思い当たることがあるかもしれません。

そしてこれから話す内容の中に、1つだけでも自分もやっていると気づくものがあれば今日から変えられます。

完璧に変える必要はありません。

たった1つでいいのです。

さあ、最初の習慣から始めましょう。

これは多くの方が健康的だと信じているあの朝の週慣についてです。

まず見直して欲しいのが朝食です。

60歳を過ぎた方に非常に多いのが、朝は軽くていいという考え方です。

バナナ1本、トースト1枚、お茶漬けあるいはコーヒーだけ、それだけで朝食を終わらせてしまう習慣です。

バナナが悪いわけではありません。

トーストが体に毒なわけでもありません。

問題はそれだけで朝を終わらせてしまうことです。

筋肉は毎日壊れては作り直されています。

その材料になるのがタンパク質です。

ところが朝にタンパク質がほとんど入ってこないと、体は筋肉を修復する材料を受け取れないまま1日を始めることになります。

ここで多くの方が知らない事実があります。

筋肉の合成は1回の食事で大量に盛るよりも、朝、昼、夜と均等に分けて盛る方がはるかに効率が良いと複数の研究が示しています。

つまり夜にしっかり食べても朝にタンパク質がなければその分は取り戻せないのです。

朝食はバナナ1本と水だけで、果物だから健康的だと信じていました。

しかし体の中では朝の数時間筋肉を修復する材料がゼロの状態が続いていたのです。

そしてここが特に怖いところです。

60歳を過ぎると若い頃と比べて、筋肉を作るスイッチが入りにくくなります。

専門的にはタンパク質の同化抵抗性と呼ばれる現象で、同じ量のタンパク質を食べても若い人より筋肉への変換効率が落ちるのです。

だからこそ毎食タンパク質を意識してもることが、60歳以降では若い頃より何倍も大切になります。

しかし難しく考える必要はありません。

朝のバナナに卵を1つ足す。

トーストに納豆か豆腐を添える。

味噌汁に卵を落とす。

ヨーグルトを小さなカップ1つ加える。

たったそれだけで体に入る材料は大きく変わります。

費用にすれば1日数十円の話です。

しかしその数十円の差が数年後の足越しの差になって現れる可能性があります。

あなたは今朝何を食べましたか?

もし思い当たることがあるなら明日の朝から卵を1つ足すだけでいい。

それだけであなたの体は違う反応を始めます。

ただし朝食だけを変えても足りない場合があります。

実は多くの方が見落としているのは昼食です。

しかもその昼食の落とし穴はお腹が満たされているから気づきにくい。

食べた直後は元気なのに午後になると急に眠くなる。

体がだるくなる。

その原因が昼食に隠れているとしたらあなたはどう感じますか?

1つ質問させてください。

あなたは昼食を何で済ませることが多いですか?

菓子パン、カップ麺、おにぎりだけ。

60歳を過ぎると昼は簡単でいい。

1人分だからこれで十分と考えてこうした食事で済ませる方がとても多くなります。

安くて早くて後片付けもいらない。

確かに便利です。

しかしここに見えない落とし穴があります。

パンやカップ麺は糖質が多い一方で、筋肉の材料になるタンパク質がほとんど含まれていません。

食べた直後は満腹感があり、少し元気になったような気がします。

ところが1時間もすると急に眠くなる。

体がだるくなる。

午後に何もやる気が起きなくなる。

これは単なる疲れではありません。

血糖値が大きく上がり、そして急激に下がっているサインです。

血糖値の乱行下が毎日続くと体はエネルギーの使い方を乱し始めます。

そして筋肉を守るホルモンの働きも徐々に弱まっていきます。

最新の研究では満性的な血糖値の乱れが、筋肉の分解を促進する可能性があることも指摘されています。

つまり甘いパンを食べるたびに、知らないうちに筋肉を削っているかもしれないのです。

腹が膨れればいい。

それだけを考えていたのです。

しかし足腰を守る食事としては大きく足りていません。

菓子パンを絶対に食べるなという話ではありません。

食べるならそこに茹で卵を1個足す。

サバの缶詰を半分添える。

小さな豆腐パックを1つ加える。

それだけでただの糖質の食事が筋肉を守る食事に変わります。

そしてもう1つ、昼食と同じくらい多くの方が見落としているものがあります。

それは食事ではありません。

飲み物です。

毎日30分歩いている。

近所の公園まで散歩している。

買い物もできるだけ歩いて行っている。

そうした習慣はとても素晴らしいことです。

しかし問題はその後に何を飲むかです。

体に汗をかいたから、体に良さそうだから、運動後だからと言って、スポーツドリンクや甘い感コーヒー糖分入りの清涼飲料水を何気なく飲んでいませんか?

スポーツドリンクは激しい運動を長時間続ける人には有効な場合があります。

しかし30分程度の軽い散歩の後に、毎回飲む必要があるとは必ずしも言えません。

むしろ糖分の飲み物を習慣にすると、せっかく歩いて血流を良くした直後に、血糖値を大きく揺らしてしまうことになります。

散歩の後に冷えたスポーツドリンクを飲むのが楽しみす。

健康的だと信じていました。

しかし実際には30分歩いた努力をその1本で台無しにしていた可能性があったのです。

散歩の後はまず水で十分です。

汗をたくさんかいた日は麦茶や無のお茶でも構いません。

さらに筋肉を守りたいなら、無糖の豆乳や牛乳を少量飲むのも良い選択です。

歩くことは正しい、しかしその後に何を口にするかで、足腰を守る習慣にも筋肉を減らす習慣にも、同じ散歩が全く違う意味を持ってしまうのです。

では夜はどうでしょうか?

多くの方が今日はちゃんと食べたと安心しやすい。

しかし実は大きなお年穴が隠れている夕食の話をお伝えします。

夕食の話をします。

これは少し耳が痛いかもしれません。

60歳を過ぎると料理に手間をかけるのが面倒になってきます。

それは仕方のないことです。

体力も落ちてくる。

1人分のために台所に立つのが臆病になるなる。

だからハム、ソーセージ、ベーコン、ちくわ、冷凍のおかずで夕食を済ませるかが増えてきます。

見た目はちゃんとしたおかずです。

肉らしいもの、タンパク質らしいものが食卓に並んでいる。

だから今日はちゃんと食べたと安心しやすいのです。

しかしここが最も気づきにくいお年穴です。

ハムやソーセージ、ちくわといった加工肉や練り物は確かにタンパク質を含んでいます。

しかしその量は見た目ほど多くありません。

例えばソーセージ2本に含まれるタンパク質は約6g程度です。

一方、60歳以上の方が一食で必要なタンパ質の目安は25gから30gと言われています。

つまりソーセージだけでは必要量の1/4にも満たない可能性があるのです。

さらに問題があります。

加工肉には塩分と脂肪、そして保存のための添加物が多く含まれています。

毎日の食事の主役にすると筋肉だけでなく血管にも少しずつ負担をかけることになります。

高血圧や動脈硬化のリスクが高まる60代以降にとってこれは見逃せない事実です。

夜はソーセージを焼くだけ、ハムを数枚食べるだけの日がよくあります。

肉を食べているから大丈夫と思っています。

しかし、足腰を支える本当の材料としては毎晩少しずつ足りなかったのです。

大切なのは肉らしく見えるかどうかはありません。

本当に体を支えるタンパ質が十分な量で入っているかどうかです。

例えば焼き魚1切れ、卵2個、豆腐半丁、納豆1パック、鶏胸肉100g。

これらは加工肉と比べてタンパク質の量が多く、塩分や添加物も少ない。

料理が面倒ならサバ缶を開けるだけでもいい。

豆腐に醤油を少しかけるだけでもいい。

それだけで夕食の質は大きく変わります。

そしてもう1つ夕食と切り離せない習慣があります。

夜の1杯です。

60歳を過ぎた方にとって夜のビールや晩酌はただの飲み物ではありません。

1日が終わった安堵感であり、静かな時間を満たしてくれる小さくて大切な楽しみです。

ですから私は今すぐ全部やめなさいとは言いません。

ただ筋肉を守るという視点から見ると毎晩の飲酒は見逃せない習慣です。

筋肉は昼間に動いている時だけでなく、夜眠っている間にも修復されています。

成長ホルモンが分泌され、日中に傷ついた筋肉が静かに作り直される。

その大切な時間帯にアルコールが多く入ると何が起きるか?

睡眠の質が下がり、深い眠りが妨げられ、筋肉を修復するための時間が乱されてしまうのです。

研究によれば就寝前のアルコール摂取は、睡眠の時間を最大で40%減少させる可能性があると言われています。

つまり夜しっかり食べても、お酒を飲めばその修復効果が大きく損われる可能性があるのです。

これくらいならと1日が終わらない。

しかしその小さな楽しみが、ただでさえ少なくなっていた筋肉の回復時間をさらに削り続けていた可能性があるのです。

楽しみを全部奪う必要はありません。

毎晩2本なら1本にする。

飲むなら食事中だけにして寝る直前まで飲み続けない。

空腹のまま飲まない。

代わりに温かいお茶や無酸水を手元に置く。

そのわずかな変化だけでも体への負担は確実に変わります。

朝の習慣、昼の習慣、散歩後の飲み物、夕食の中身、そして夜のお酒。

これら1つ1つはどれも小さな習慣です。

しかし、その小さな習慣が何年も積み重なると、ある日突然10cmの段差で足が上がらなくなる。

そういう現実として現れてくるのです。

焼き魚、味噌汁、卵焼き、ほれ草のおひたし、ご飯。

特別な高級料理ではありません。

どこにでもある昔ながらの日本の朝ご飯です。

知識がなかったわけでもありません。

ただ自分1人のためにわざわざ手間をかける気になれなかっただけです。

面倒だから安いから腹が膨れるから。

その小さな理由が毎日積み重なって数年後に足腰しの差となって現れます。

魚、卵、豆腐、野菜、味噌汁。

そうした当たり前の一品が体を支える材料になっていたのです。

私たちが子供の頃から食べてきた。

あの普通の食卓が実は最も利に叶った筋肉を守る食事だったのです。

ここで1つ大切な考え方をお伝えします。

60歳を過ぎてから食事を変えようとすると多くの方を完璧にやらなければという気持ちになります。

毎日きちんと料理しなければいけない。

甘いものもお酒も全部やめなければいけない。

しかしそう考えると最初から諦めてしまいます。

そうではありません。

お伝えしたいのはたった一品足すという考え方です。

朝がトーストだけなら卵を1つ足す。

バナナだけなら納豆かヨーグルトを小さく足す。

昼が菓子パンなら茹で卵かサバ缶を1つ添える。

カップ麺の日でも豆腐を半長置く。

夜にソーセージを食べるならせめて豆腐か納豆か卵を一品加える。

散歩の後は甘い飲み物ではなく、無糖のお茶かそれだけです。

完璧な食事に変える必要はありません。

今のもの筋肉を守る材料を1つ足すだけでいい。

そしてここが希望です。

60歳を過ぎた体は小さな不足に弱い一方で、小さな改善にもきちんと反応してくれます。

毎朝卵を1つ足すだけで、3ヶ月後には筋肉量の維持に明らかな差が出るという研究結果も報告されています。

体は正直です。

与えた材料に静かにしかし確実に答えてくれます。

毎朝のバナナに卵を1つ足していれば、菓子パンの日に茹で卵を1つ買っていれば、散歩の後飲み物を無糖のお茶に変えていれば、結果は違っていたかもしれません。

筋肉を守ることは若かわかしい体を作るためだけではありません。

自分で玄関の段差を超えること、自分で買い物に行くこと、自分で風呂に入り、自分で台所に立ち、自分の家で自分らしく暮らし続けること。

その当たり前の自由を守るためです。

今日から完璧に変える必要ありません。

明日の朝、卵を1つ手に取ってください。昼に貸を買うなら隣に茹で卵を1つ並べてください。

散歩から帰ったら冷蔵庫の麦茶に手を伸ばしてください。

夜のソーセージの隣に小さな豆腐を一丁置いてください。

たった1つでいいのです。

あなたの体は今日の一口から変わり始めます。

もう年だからと片付けないでください。

未来の足腰しは今日の食卓の上にあります。