三菱UFJ銀行515あった店舗が、320に。

三井住友銀行窓口での振込手数料、990円。

みずほ銀行130の国内拠点を削減、大手3行がそろって、窓口を切り捨てています。

ところが、この大手3行の純利益は、過去最高を更新し続けているんです。

窓口を減らし、手数料を上げ、銀行はかつてないほど潤っています。

しかも来年2027年4月には、本人確認のルールまで根本から変わります。

この一連の変化のむこうに、あなたの老後資金を削り取る設計図がすでに完成していたんです。

この先を知っているかどうかで、来年届く請求書の金額が変わります。

まず、規模を確認します。

東洋経済の調査によれば、1990年代のピーク時、大手銀行は1行あたり700から1000を超える店舗を持っていました。

それが2023年時点で、各行300店台にまで減っています。

ピークの3分の1です。

全国の銀行全体ではピークから27%、大手銀行に限れば51%が消えました。

日経新聞が報じた数字です。

しかも、この27%という数字すら、現実を映しきれていません。

日経経済研究センターが、ブランチ・イン・ブランチという手法を指摘しています。

閉鎖した支店を別の支店の中に統合した形にするんです。

統計上は存続していることになりますが、利用者からすれば消えたのと同じです。

公表値より実際の有人店舗は1割少ないと、同センターは分析しています。

残った店舗には客が集中しています。

朝の開店前から列ができ、窓口で1時間から2時間待ちが日常になっています。

番号札を握りしめたまま、足が悪くても立ち続けるしかありません。

しかも、その窓口すら、来月にはなくなるかもしれないんです。

あなたが年金を受け取っている支店、通帳を記帳しに通っている支店、その支店がいつまで残るのか、銀行は事前に公表しません。

ある朝いつものように出かけたら、シャッターが降りていて初めて知る。

そういうことが、全国で起きているんです。

2001年に全国で1万5301あった銀行の店舗が、2022年には1万3665になりました。

20年で1600以上が消えた計算です。

そしてこの流れは加速こそすれ、止まる気配がまったくありません。

一度閉じた窓口が、もう一度開くことはないんです。

この流れは、一方通行なんです。

しかし、ここで見るべきは、窓口が減ったという事実ではありません。

減らし方の中に、あなたの老後資金に直結する仕掛けが組み込まれていたんです。

窓口での振込手数料

三菱UFJ、990円
三井住友、990円
みずほ、990円

2025年、大手3行はこの金額で足並みをそろえました。

一方、みずほのネットバンキングなら、他行あての振込みがわずか110円です。

窓口なら990円、ネットなら110円、同じ銀行で同じ振込みをして、9倍の価格差がつけられているんです。

ネットができる人とできない人、たったそれだけの違いで、同じサービスに9倍の値段を払わされるんです。

三井住友銀行はさらに、2024年4月から自行のキャッシュカードをゆうちょ銀行のATMで使う場合に、110円の上乗せを始めました。

ゆうちょのATMは全国に約2万3000箇所。

窓口が消えた地域で、最後に残る引き出し手段になっているケースもあります。

その最後の蛇口にまで、手数料がかけられたわけです。

さらに、一定期間使われていない口座には、年間1320円の管理手数料がかかる銀行も出てきました。

預けているだけで、お金が静かに減っていくんです。

過去10年で窓口への来店は4割減りました。

莫大な家賃と人件費がかかる店舗は、銀行にとってもう利益を生まない場所になったんです。

手数料に差をつけて、利用者をネットに押し出すわけです。

ネットに移った人は安くなり、銀行は店舗を減らしてコストが下がります。

双方にとって合理的な設計に見えます。

しかし裏を返せば、ネットに移れなかった人だけが、990円という高い手数料を払い続ける構造です。

しかもこの手数料は、銀行の窓口が消えたから高くなったのではありません。

銀行が窓口を消すために、意図的に高く設定したものなんです。

つまり、窓口に残るしかない人が、窓口を消すためのコストを負担させられているんです。

この構造のねじれに、気づいている人はほとんどいません。

そして銀行は、浮いたコストで過去最高の利益を出し、株主に還元しているわけです。

ところが、この設計図には、致命的な一行が書かれていなかったんです。

ネットに移れない人の行き先が、どこにも用意されていませんでした。

しかもこの流れは、来年さらに加速します。

来年2027年4月から、免許証の写真を送る本人確認が廃止されます。

あと11ヶ月です。

銀行口座の開設で当たり前だった、あの写真撮影が使えなくなるんです。

犯収法施行規則の改正によるものです。

警察庁の分析によれば、2024年に特殊詐欺で使われた携帯電話回線のうち、約7割が偽造免許証で契約されていたんです。

AIの進化で、写真だけでは真贋の判別が不可能になりました。

来年からは、マイナンバーカードのICチップをスマートフォンで読み取る方式に原則一本化されます。

銀行口座の開設だけではありません。

クレジットカードの発行、携帯電話の契約、証券口座の開設、金融にかかわるほぼすべての入り口で、このルールが適用されるんです。

偽造を防ぐという意味では、セキュリティは確実に上がります。

しかし、この変更が生み出すのは、デジタルについていけない人たちの完全な孤立なんです。

スマートフォンを持っていない人、持っていてもICチップの読み取り操作ができない人、マイナンバーカード自体を作っていない人、窓口での手続きは残りますが、郵送対応なら2週間以上かかります。

店舗の予約が1ヶ月先まで埋まるケースもすでに報告されています。

しかも、その窓口自体が、この10年で半分以上消えているんです。

窓口が減り、手数料が上がり、本人確認のルールまで変わります。

この3つの壁が、同時にせまってきています。

ひとつなら越えられるかもしれません。

しかし3つが同時に来たとき、逃げ場を失う人が、確実に生まれるんです。

しかし、この話の核心は、不便になることではありません。

この構造が、あなたの老後資金から、毎月、毎年、いくら抜き取っていくのか。

ここからが本題です。

計算してみます。

窓口での振込み、1回990円、月に2回使えば年間2万3760円です。

ネットなら月2回で年間2640円。

差額、年間2万1120円。

ATMの時間外手数料、1回330円。

月に4回使えば年間1万5840円です。

合わせると、年間3万7000円近い差が開きます。

毎月に直すと、約3000円スーパーで買う卵パック15個分です。

それが毎月、通帳から静かに抜き落ちていくんです。

10年で37万円ネットが使えないというだけで、老後のために積み上げてきた預金が、手数料という名前をつけられて、少しずつ溶かされていくんです。

さらに、警察庁と銀行業界は、75歳以上のATM利用を引き出し・振込み合わせて、1日30万円までに制限する方針を固めています。

実はこの制限、すでに始まっているケースがあります。

日経新聞によれば、三菱UFJ信託銀行は、80歳以上で過去1年間ATMを使っていない約10万人の利用者に対し、出金と振込みの制限をすでにかけています。

本人に通知が届かないまま、制限がかかっているケースもあるんです。

皆さんの口座で、同じことが起きていないと言い切れるでしょうか。

自分の口座に入っている、自分のお金です。

しかし急な入院費が必要になったとき、1日ではまとまった金額を引き出せなくなります。

自分のお金が、自分の手に届きません。

解除するには窓口での手続きが必要ですが、その窓口は半分以上消えているんです。

予約を取って、バスに乗って、1時間待って、ようやく手続きが始まるんです。

自分のお金を引き出すために、丸一日を費やすことになるわけです。

そしてもうひとつ、音もなく進む浸食があります。

窓口が遠くなると、通帳を確認する習慣そのものが消えます。

来月まとめて確認すればいい、そう思ってしまうんです。

この先送りが半年続いたとき、身に覚えのない手数料が静かに積み上がり、使った記憶のない引き落としが毎月続いていたんです。

気づいたときには、数万円が消えていたんです。

こうしたケースが、すでに各地で報告されています。

確認しないということは、穴の開いた財布を持ち歩いているのと同じです。

歩くたびに小銭が落ちていきます。

しかし音がしないから、気づけません。

気づいたときには、財布の中身が変わっているんです。

年金を大切に使いながら暮らしている人にとって、月に数千円は、子どもへの仕送りを減らすかどうかの判断に直結する金額です。

夫婦で楽しみにしていた、月に一度の外食をあきらめるかどうかの金額なんです。

70年間まじめに働いて積み上げてきた預金が、銀行の都合で設計された手数料に毎月、削られていくんです。

がんばったから報われるはずだった老後が、デジタルについていけないという、たったひとつの理由で、静かに痩せていくんです。

銀行が効率化で得た利益は、株主に届いています。

しかし、その効率化の請求書は、デジタルに移れない人の通帳に届いているんです。

届け先を間違えた請求書です。

しかし届け先を変える力は、今の日本にはまだ見えていません。

銀行の有人店舗は、全国で27%消えました。

大手に限れば、半分以上です。

しかし全国の郵便局は、約2万3000箇所、ほとんど変わっていません。

年金の受け取り、通帳の記帳、公共料金の支払い、日常の範囲でできることは、郵便局でもカバーできます。

あなたの老後資金を守る場所は、まだ残っています。

しかし、その場所に気づかないまま、手数料だけが静かに積み上がっていくんです。

この構造の恐ろしさは、気づかない人だけが、払い続けるということです。

気づいた人は動けるしかし気づかないまま来年を迎えたとき、手数料と制限とルール変更が、同時にあなたの通帳に届きます。

この構造は、あなたが動かないかぎり、止まることはありません。