1週間にどれくらいお酒を飲んでいますか、ご自身でも考えたことがありますか?

お酒とは本当に別れを告げるのが難しい相手ですよね。

社会生活をしていると、どうしても付き合いで飲まなければならない場面もあります。

お酒をたくさん飲むと脳が縮んでしまう。

万が一やめれば脳は回復する、そんな話を聞いたことはありませんか?

実際にはそれは事実です。

想像以上にお酒を飲み続けることは脳にとって毒となり、逆に断酒すると思っている以上に驚くべき変化が訪れます。

アルコール依存で脳が深刻に損傷した場合でも、人間の回復力は本当に驚くべきものがあります。

うつ、不安、不眠など、メンタルヘルスがどのように回復していくか。

私たち気分が塞いだ時や寂しさ、ストレスを感じたときについお酒を手に取ってしまいます。

もちろん楽しいことがあった時にも飲むこともあります。

しかし残念ながらお酒を飲むことで、うつ、不安、不眠は悪化します。

ストレス解消にお酒を飲むのと、飲めずにストレスを感じるのと、どちらが良いと思いますか。

お酒を飲むとストレスホルモンであるコルチゾールがさらに増えます。

睡眠の質も悪化し、脳内の科学的バランスも崩れてしまいます。

その結果、ストレスはますます悪化してしまうのです。

アルコールは一時的にドーパミンを分泌させて気分を高揚させることがありますが、長期的には脳内のバランスを崩し、かえってうつや不安がひどくなることが知られています。

酒をやめるとまず最初に感じる変化の1つがメンタルの改善です。 

最も禁酒を始めた最初の数日は不安や不眠が一時的に悪化する場合もあります。

これは身体的な禁断症状の一種であり、アルコールに抑えられていた脳神経が目覚めて興奮状態になり、その結果交換神経が活性化してしまうからです。

この時期は不安感があり、眠れますない夜を過ごすこともあるでしょう。

しかしこの時期を3、5日ほど乗り越えると不眠は徐々に改善し始めます。

不安も同様に改善していきます。 

実際のデータもあります。

さらに禁酒を続ければ続けるほど、残っていた不安症状も徐々に減少することが確認されています。

アルコールによって抑え込まれていた脳が禁断症状によって一時的に興奮状態になった後、およそ2週間でその興奮は落ち着いて来るということです。

また禁酒後3~4週間が経過すると、うつや抑うつ感も急激に改善するケースが多く見られます。

つまりアルコールに依存したり、急に断酒した時に現れる抑うつ感の多くは、アルコールそのものの影響であるため、禁酒後わずか数週間で速やかに改善されることが多いです。

では禁酒を1ヶ月続けるとどうなるのでしょうか?

1ヶ月ほど禁酒を続けると不安やうつ症状が本当に見えて改善していくのを実感できます。

もちろん、個人差はあります。

アルコールによる急性の脳機能障害が徐々に回復し、脳内の神経伝達物質や化学バランスが整い始め、気分も徐々に安定していきます。

睡眠の質も次第に良くなっていきます。

不眠症の方は逆にお酒を求めがちですが、実はお酒を飲むことで睡眠の質はさらに悪化し、この悪化循環が繰り返されることが学術的にも示されています。

したがって、禁酒したからと言ってすぐに不眠が改善するわけではありませんが、おおよそ3ヶ月も経つと精神的な症状は、多くの場合、症状は明らかに改善していきます。

うつ感も初期に比べて著しく改善し、感情の起伏も減少し、対人関係や社会生活への意欲も徐々に戻ってくるでしょう。

半年以上禁酒を続けると精神的な苦痛は大幅に軽減されます。

アルコールによって崩れていた脳内の神経化学的バランスもかなり正常に戻り、感情コントロール能力やストレスへの対応力も回復します。

そして1年近く禁酒を継続できた方は精神的にも澄んだ、安定した状態を取り戻すことが多いです。 

もちろん、アルコール乱用以前から臨床的にうつや不安障害があった方はお酒をやめたからと言って全てが良くなるわけではありません。

その場合は個別の疾患に対する適切な治療を受ける必要があります。

しかし、断酒すること自体は少なくとも、うつや不安の治療を成功させたり、治療の効果を高めたりするための大きな助けになることは間違いありません。

そのため周囲からお酒をやめて人が変わったと言われるのは、一般的には禁酒を初めてから6ヶ月から1年ほど経ったから言えるでしょう。

アルコールは脳細胞に直接的な毒性を与えます。

記憶力、注意力、実行機能といった認知機能に悪影響を及ぼします。

お酒はまさに脳を溶かすいう有機溶媒と言っても過言ではありません。

60代まで過度の飲酒を続けると同世代の人々よりも脳の老化が約12年も早まるという研究結果もあります。

しかし、幸いにも禁酒をすれば脳の認知機能は大きく回復することができます。

まずは禁酒1週間後の変化を見てみましょう。

お酒をやめて数日しか経っていない時期には、逆に認知機能が一時的に低下したように感じることがあります。

中には緊張をほぐすためにお酒を飲んでいたたという方もいるでしょう。

しかしこれは急性の禁断症状によるもので禁酒すると不安や不眠が現れ、注意力が散漫になったり、記憶力が低下したりすることがあるからです。

とはいえ、これらの現象は非常に一時的なもので、1週間ほど経つと身体も脳も徐々に安定し始め、脳機能も少しずつクリアになっていく感覚を得られるでしょう。

最初の数日間に現れる手の震えや混乱した感情も次第に落ち着いていきます。

そして約1数ヶ月経過すると多くの人が記憶力や判断力が目に見えて向上したと感じるようになります。

実際の研究でもこれが裏付けられてます。

では、禁酒6ヶ月が経過するとどうなるのでしょうか?

多くの研究では約6ヶ月間禁酒を続けると、アルコール依存症患者でも一般の人にはほとんど見分けがつかないほど認知機能が回復すると報告されています。

もちろん、非常に精密な神経心理学的検査を行えば微細な差が見えないかもしれないが、日常生活やほとんどの作業をこなす上では全く問題ないレベルまで回復するのです。

つまり禁酒期間が長ければ長いほど脳の回復力は高まり、アルコールによる認知機能の低下はかなりの部分で回復できるのです。

もちろんアルコールによって認知症やコルサコフ症候群のように深刻な脳障害が進行した場合、完全な回復は難しいこともあります。

それでも禁酒はさらなる悪化を防ぎ、一部の機能を改善する意味で非常に重要な行動と言るでしょう。

ようするに酒をやめることで頭は確実に良くなるのです。

そして脳が物理的にも回復するかどうかという疑問についても、答えはYESです。

MRIによる研究では禁酒初期に縮んでいた脳の体積、特に皮質の厚みが再び増加し始めることが確認されています。

驚くべきことにこうした変化はわずか数日で現れることもあるのです。