自然災害が発生し、誰もが日常的に防災を意識するようになっています。
突然やってくる自然災害に備えて防災準備をするように、がんの告知にも少しでも落ち着いて対応できるよう、あらかじめ備えておくことが大切です。
多くの人がかかる「がん」という病気に対しても、災害と同様に事前に備えれば被害軽減できます。
がん防災は、宮崎善仁会病院(宮崎市)の押川勝太郎医師が発案した造語です。
押川さんが参加した日本がんサポーティブケア学会の部会で検討してきた結果によると、がんを経験すると身体の諸症状、不安などの心の負担、相談先や経済的負担などの社会的なものなど多様な局面で問題を抱えやすくなる。
動揺する中、インターネットで情報を探そうとする人が多いが、ネット情報が玉石混交で正しいものを探し出すのは難しいです。
がんは症状も治療も個別で、他人の体験談は自然災害に例えれば、よその地域のハザードマップのようなものです。
情報に振り回されて治療が遅れれば、身体のダメージや後遺症も重くなり、経済的な負担も膨らみがちです。
事前に最低限の基礎知識を得て、どんな問題が起こるかを知っておくことが重要です。
最新のがん情報やトピックスをどう解釈したらいいか解説する動画をyoutubeの「がん防災チャンネル」で配信中だ。
マニュアルを作ったのは一般社団法人「がんと働く応援団」です。
がんになってもその人らしく働いたり生活を続けたりすることが当たり前の社会を目指すことを掲げ、がん経験者を中心に2019年に設立された。
押川さんの監修を得て21年に1冊の「現役世代向け」、23年には「中小企業経営者向け」の冊子を相次ぎ刊行、印刷した保存版はこれまでに2冊計45万分以上を読者に届け、電子ファイルのダウンロードでも計1万件を超えた。
押川さんは防災バッグのように一つにまとめた。
信頼できる情報源があれば、不要なストレスが減り冷静な判断ができる。活用できる。
今年8月には、3冊目として「働く女性向け」を刊行している。
女性が年代別でかかりやすいがんの基礎知識と早期発見の方法ほか、告知されたときの対処法、仕事との両立の方策。
妊娠・出産への影響、見た目の変化のアドバイス、親や子供への伝え方のヒントなどを経験者の体験談を豊富に交えて解説してある。
まずは、この冊子からがんについての正しい知識を得るところから、がんに対する備えをはじめてみませんか。
3冊はいずれも、同法人ウェブサイトの申し込みフォームでメールアドレスを登録すれば無料でPDF版をダウンロードできます。
保存版冊子の送付を希望する場合は3部360円から、ウェブサイトから申し込みできる。
がん防災マニュアル/がんと働く応援団
https://www.gh-ouendan.com/ganbousai
がん防災マニュアル申し込みサイト
https://gho.theshop.jp/categories/5240092