楽天グループの売り上げ収益は前年比7.8%増の2兆713億円

営業損益は2128億円の赤字、(前年同期は3716億円の赤字)

最終損益は3394億円の赤字、(前年同期は3772億円の赤字)

赤字幅は全体的に減りました。

売り上げは相変わらず好調で、楽天市場などのインターネット部門の業績は売り上げ収益1.2兆円で、前年度比プラス9.8% 国内ECの売り上げ収益は10.8%の増収

楽天カードなどフィンテック部門の売り上げは7252億円で、前年同期比プラス11.2%

モバイルの営業損益は3375億円の赤字でしたが、前期が4792億円の赤字だったことを考えれば、1500億円ほど改善しています。

楽天グループとして23年ぶりの無配当、配当がないという驚きのニュースも出ています。

楽天グループの課題については、楽天には多額の社債があって、どうやって返すのと言われてたが、1月に借金を返すために借金をする。

 

多額の社債の存在が、楽天ビジネスが懐疑的に言われていた要因だと思うが、そもそもは2024,2025年で約8000億円返さなきやいけないのをもう1回借金して返済をずらしたってこと?

気になる点は売り上げの成長が鈍化している。

 

27年目で売り上げ2兆円を超えたが、これまでは年ベースで14~15%成長してきたが今期の増収割合が7.8%、ほかの会社と比べても十分よい方だが成長の鈍化が気になる。

おそらくそれは今のコスト削減とかいろんな事やっているのでそういうのもあるのかなと、なかなか売り上げが2兆円くらいの会社で二けた成長が続くことはあまりないのでちょっと落ち着きつつある段階なのかと。

あともう一つはARPU(一人当たりのモバイルの1契約当たりの平均売上金額)、四半期ベースでモバイルのARPUが下がった。

23年ぶりの無配当はどうなの?

配当金額はもともと1株当たり4円50銭なんですよね。100株持っていて450円。そもそも大した金額ではない。

その代わりに何をするかといったら、1年間楽天モバイルが付き30GB無料で使える。すべての株主に楽天モバイルの音声+データ(30GB/月)を1年分提供。モバイル事業への必至感、そこまでして売りたいんだなと必死さの表れ。

楽天の課題、モバイル事業は?

これに尽きるんですけども、モバイルを黒字化するのは当然、ユーザーを増やさなくてはいけない。

どのくらい増やさなければいけないかというと楽天の目標は800万人~1000万人ユーザー。

今の楽天モバイルのユーザー数が約600万人、去年のこの時期が約450万人だったので、年間で150万人増えている。

足元でいったら月間で25万人増えているので、このペースを維持すれば今年末に900万人いってもおかしくない。

あくまでも計算上ですけども、ただユーザーが増えても使わないユーザーだったら全く意味がない。

楽天モバイルを契約してSIMを持っているが、メインはドコモやAUを使っている人もいる。

楽天モバイルは使わないけど、楽天モバイルのユーザーは楽天市場で買い物するとポイント5倍なので、ポイント目当てに楽天モバイルを寝かしている人がおそらく相当いるはず。

その人たちのメイン回線として楽天モバイルをどう使わせるかという話になってくると思う。

なるべくたくさん使ってもらって、3000円/月ぐらい払ってほしい?

楽天は法人契約約90万社と付き合いがあって、法人契約は解約率が低いので法人に狙い撃ちするのが戦略。

モバイルの投資は終わるのか?

通信キャリアなので設備投資が終わるということはあり得ない。

他の大手3社も設備投資はし続けている。

去年一昨年は3000億円ぶち込んでいたが、2023年もともと2000億円と言っていたのを1800億円弱にとどめて、今年2024年は1000億円を下回る水準にすると下がっている。

ある程度のベースは作ったのでKDDIのローミングで抑えている。

今後、昨年プラチナバンド(つながりやすい周波数帯)を総務省からもらった。10年間で540億円投資すると予定。

540億円というのはありえないぐらい安い、ソフトバンクは2兆円投資したと言われて540億円をどうするかと言ったら後半に集中させると言っている。

当面KDDIのローミングで時間を稼いでおいて、後から自前でどうするかという話。だけど、もともと6000億円投資すると言っていた会社が1兆円超えているのでどこまで真に受けるべきか。

もちろん、モバイルも利益を出すことに越したことないんですけども、やっぱり借金返済ですよね。

モバイルの設備投資でもともと6000億円で弾いてたものが1兆円超えているとってことは予想をはるかに超えちゃっている。

その分お金ないからどうしようってなったら、とんでもない利回りの社債を出して、社債なので当然返さなくちゃいけない。

それがいくらかと言ったら、もともと楽天グループは2024年、2025年にかけて総額約8400億円の社債の償還が迫っている。

24年の期限が迫る約3200億円分は借り換えを実施し、1000億円の返済に縮小。ただ、楽天の利払いは負担は増す。