日本銀行は30日から2日間にわたり金融政策を決める会合を開き、31日午後、金利を操作する政策を修正することを決めました。
今回の日銀の決定は、円安の進行、そして想定を上回る長期金利の上昇を受けたものです。
公表前に修正の観測があったことから、円相場など市場は比較的落ち着いた様子です。
日銀は7月の会合で、金利を操作する政策を修正し、長期金利について、1%を事実上の「上限」とし、これを超えないように国債を無制限に買い入れる「長短金利操作」を行っていましたが、今回の会合で、長期金利1%を上限の「めど」に修正しました。
金利を低くおさえるための国債の買い入れの運用を、柔軟化するとしています。これにより、状況に応じて今よりも長期金利が上昇する可能性があります。
円相場は、このところ1ドル=150円前後と円安が進行していますが、金利が上昇すれば、日米の金利差の縮小から円安が是正されるとの見方もあります。
一方、発表前の観測を受け、31日の長期金利は一時、0.955%まで上昇しました。
日銀の金融政策の修正により、長期金利が上昇すれば、固定型の住宅ローンや企業の借り入れなどの金利が上昇する可能性もあります。
三菱UFJ銀行は定期預金の金利の大幅引き上げを発表。
長期金利がおよそ10年ぶりの高水準となる中、三菱UFJ銀行は、定期預金の金利を大幅に引き上げると発表しました。
10年定期は、変更前の100倍の0.2%となります。
三菱UFJ銀行が金利の引き上げを発表したのは、円建ての定期預金の金利です。
5年・6年の金利は0.002%から0.07%に、7年、8年、9年は0.002%から0.1%に、そして10年については0.002%から0.2%に引き上げます。
10年については、今の100倍に引き上げることになり、これは大規模な金融緩和が始まる前の2012年以来の水準となります。
最近の長期金利上昇を反映させたもので、メガバンクの三菱UFJが引き上げに踏み切ったことで、ほかの大手銀行にも広がる可能性が出ています。