どうしてアップルはあれほど革新的なのか。

毎年、毎年、他の競合のどこよりも革新的であり続けています。

Apple はただのコンピューター会社です。

他とそう変わるわけではありません。

なぜ、Apple は他と違う何かがあるように見えるのか。

ここには何か、別の要因が働いています。

「why」なぜ、「how」どのように、「What」何を、そしてそのやり方は他の人たちと全く逆なんです。

全ての人間や組織は現在自分が何をしているのかは確実に理解できます。

それは差別化するとか、付加価値とか、独自性とか呼ばれているかもしれません。

でも 「why」なぜやっているのかが分かっている人や組織は非常に少ない。

その場合は利益のことではありません。

このなぜは目的を指しています。

何のために、何を信じているのか。

何のために、この組織は存在しているのか。

結果から言うと私たちは考え行動し、コミュニケーションを外側から中に向かってやってるんです。

明確なものから曖昧なものへ向かっているのです。

でも、人々に影響を与えるリーダーや影響を与える組織は、その組織の大きさ業界にかかわらずなんですが、考え行動し伝えることが全て内側から外へなんです。

Apple 製品を使う理由を説明すると分かりやすいと思います。

もし Apple が他の会社と同じような感じだったら、マーケティングのセリフは多分こんな感じになるでしょう。

我々は素晴らしいコンピューターを作ります。

美しいデザインで簡単に使えてユーザーフレンドリーです。

あなたは欲しいですか。

我々は、ほとんどこんな風に伝えているのです。

マーケティングやセールスマンもそうです。

我々の個人的な対話もそんな風に行われてます。

何をして、どう違いどう優れているのかを伝え、相手の購入とかを期待したりしています。

これじゃあ、心は動きません。

これは人々が何をではなく、なぜに動かされているということを証明しているんです。

何をではなく、なぜです。

だから全ての人たちがアップルからコンピューターを気持ちよく買うことができるんです。

Apple はただのコンピューター会社です。

Apple と他の会社では特に大きく違うところはありません。

他の会社にだって同様な商品を作ることはできます。

実際にやっています。

人々は何をではなく、なぜに動かされるんです。

ビジネスのコールはあなたが持っているものを欲しがる人ではなく、あなたの信じることを、信じる人とビジネスすることを目標とすべきです。

そして人の行動を司り、すべての意思決定を行います。

言い換えれば外から中へのコミュニケーションを行っている時、機能やメリット、事実や数値など確かに大量で複雑な情報を理解することはできますが、行動にはつながりません。

中から外へ、コミュニケーションを行っている時は、脳の行動を制御する部分と直接コミュニケートしているんです。

言葉や行為によって理由付けは後からすることもできるんです。

直感的な決定はここから生まれるんです。

時々全ての事実や詳細を伝えているのに、事実や詳細はわかるんだけど、なんか納得感がないんだよねとか言われたことはないですか。

もしあなたが、なぜそれをするのかを自分で知らなかったら、人々がなぜそれをするのかを知らなかったら、あなたに投票するとかあなたの商品を買うとかできるわけないですよね。

もう一つ重要なのが忠誠心です。

あなたのやりたいことに加わってくれるわけがありません。

繰り返しますがあなたの商品を欲しい人に売るのではなく、あなたが信じているものを信じる人に売るべきなんです。

人を雇う時も同じです。

私の信じていることを信じる人を雇うんです。

もし、仕事ができるというだけの理由で採用した人は、お金のために働くでしょうね。

でも、もしあなたの信念を信じる人は、その人は血と汗と涙を流して働くんです。

人は何をではなく、なぜに動かされるのです。

そしてあなたが信じていることについて語れば、そのことを信じてくれる人たちを惹きつけるんです。

イノベーション普及の法則というものがあるんですけど、言葉を聞いたことあると思います。

イノベーションとは、新たな価値を想像し社会に変革を起こすことをいいます。

そしてイノベーションは、「イノベーション普及の法則(イノベーター理論)」に従って、世間に一気に広まることはなく徐々に浸透していくと考えられています。

なぜならイノベーションを採用する人間は、下記の5つのタイプに分けられるからです。

 



イノベーター(2.5%):導入者。自らもアイデアを提案し、新しいものには飛びつく。


アーリーアダプター(13.5%):初期採用者。アイデアを提案することはないが、新しいものが大好き。


アーリーマジョリティ(34%):初期多数派。だれかが試した後、評判が良ければ取り入れる。


レイトマジョリティ(34%):後期多数派。世間の半数が認めたものを受け入れる。


ラガード(16%):遅滞者。新しいものを自ら認めることはない。それを認めるしかない状況になって初めて認める。

このように人のタイプを分けて見てみると、流行に敏感な人もいれば、いつまでも過去の価値観を大事にする人もいるというのがなぜなのかよくわかります。

単純に性質が違うのです。

一見するとイノベーターやアーリーアダプターのような、イノベーションを率先して採用する人たちには先見の明があり、いかにも聡明な集団であるかのような印象を抱くかもしれませんが、そうではありません。

イノベーションは新しい価値であるがゆえに、どんなリスクが隠れているかわからないのが難点です。

もし何かのリスクが顕在化してそれが失敗に終わったとき、ラガードなどの新たな価値を受け入れられない偏屈な出遅れ組が一転して賢明な人たちであったことになります。

そもそもイノベーションを起こすかすかもしれない新たな価値は日々生まれていますが、何が真のイノベーションとして世間に根付くかは後になってみないとわかりません。

さらに私たちは、イノベーションの種類によってどのタイプの人間になるかが変わります。

もし自らが新たな価値を創造し、イノベーションを起こしたいと望むのならば、誰をターゲットにするかが重要になります。

通常ターゲットにしてしまいがちなのは、数的に集団の中心であるアーリーマジョリティ(34%)とレイトマジョリティ(34%)ですが、この層はだれかが試して評価が確定した後でなければその価値を受け入れません。

多数派を相手にする限り、多大なコストをかけた割によくてそこそこの成功しかおさめることはできないでしょう。

ターゲットにするべきは少数派のイノベーター(2.5%)とアーリーアダプター(13.5%)です。

この少数の層にあなたの生み出す新たな価値が認められれば、その後は自ずと多数派も受け入れだします。

そしてイノベーターやアーリーアダプターは、新たな価値そのものではなく、それを生み出す人間の理念や信念に共感できるかどうかをポイントにしています。

大切なのは、新たな価値によって何ができるのかを語ることではなく、なぜその価値が必要なのか、少数派の人たちにあなたの信じていることを示し、それを信じてもらうことです。