いま楽天グループが苦境に立たされている。

23年1月から3月期の決算は最終損益が825億円の赤字。

そのきっかけは携帯電話事業への参入だった。

反転攻勢へ向け、新プランの導入を発表した楽天。

苦境のなか、果たして立て直しは可能なのか?

本業で稼いだ利益を表す営業利益が761億円の赤字。

楽天市場などのインターネットサービスは119億円、クレジットカード・銀行・楽天証券などは266億円、この辺りは好調なんですが。

携帯電話事業が1026億円の赤字となり、利益を食い潰すような構図となっています。

大手キャリア3社がいずれも利益1兆円越えの増収増益の中でこういった状況になっている。

携帯事業の赤字が、他の黒字、他の2つは好調なんですけどここを大きく食い潰してしまっている。

携帯事業に参入するときに初期投資がかかって赤字になるだろうと思ってたと思いますがその想定と比べて誤算があった。

0円プラン廃止にして契約者数が減ってしまった。

これはかなりダメージとして大きいんじゃないかなと思う。

だいたい契約数500万ぐらいまで伸びて来てたんですけど1割ぐらい落ちてしまった。

23年3月時点で454万人。

正直なもんでお客さん離れが始まり1割近く減ってしまった。

値段になびくユーザーが限られているところがある。安いところを転々と回る人もいるけども大多数ではない。

新プランを導入したので2、3倍の勢いで増やしていきたいと思っているが、かなりの努力が必要だ。

現状楽天安いんですけど、ネットワーク品質が今いちだよねというのもあります。

安いけど躊躇している人がいる。

三木谷さんは採算が取れる数字は700万だと言っていて、2,3年前に料金プランを変えたときに1200万人という話をしていた。

最終的には2000万までもっていきたいとしていたので、単純計算するとじゃあ何年かかるんだって話になってくる。

ペースを上げないと狙いの目標にはならない。

6月から新プランで巻き返しをしようとしているが、そもそも楽天モバイルは自社でネットワークを提供できていないエリアは KDDI のネットワークに接続する。

これまでは月間で 5GB までという制限だったんですけど、それがなくなり月額 3278円でデータ通信使い放題になる。

これで新規加入者を引き付けるところまでいけるのかな?

ただ誤解されているが KDDI と同じネットワーク品質で使い放題ってイメージがあるけど、必ずしもそうではなくて通信速度に関しては遅いとこもある。

実際使ってみて、どれだけの快適さというのはまた別の話です。

想定外の大赤字が出ている。

20年 2646億円、21年 3169億円、22年 3215億円 23年も3月時点で713億円使っている。すでに1兆円使っている。

元々6000億円で作ろうという計画だったが、いろいろ理由があって半導体がなかなか手に入らないとか資材が高騰するなど高くなってしまった。

でもやっぱり一番大きいのは基地局足りないぞ、増やさないといけない。

そうゆう誤差もあって、大手3社の場合、設備投資に年間6000億円とか使っている。

そもそも6000億円で展開するのは非常識な数字です。

楽天は資産を売却して資金調達を狙っている。

21年3月には日本郵政から2400億円規模の第三者割当増資。

22年11月には楽天証券株を売却775億円。

23年4月には楽天銀行の上場に合わせて一部株式を売却し、717億円を調達。

23年5月には西友ホールディングス株を20%全てを約220億円でアメリカの投資ファンドに売却すると発表。

さらに公募増資と第三者割当増資で最大3300億円の増資を発表。

基地局の建設などににかかる投資を賄ってきた社債の償還も迫っていまして今後5年間で迎える残高1.2兆円。

23年780億円、24年3325億円、25年4760億円、26年1625億円、27年1700億円

この投資負担、乗り切れるのかどうか?

ちょっとまずそうですね。

驚きの金額だと思うんです。