気持ちの切り替え、このことに対して課題意識を持っている方はとても多いかと思います。
イライラしやすい、後悔しやすい、自暴自棄になりやすい、投げ出してしまいやすい、つまずきやすくそのことが原因で思うような一日を過ごせなくて、がっかりしてしまうというパターンに陥りがちなのではないでしょうか。
辛い状況に置かれたとしても、そこから気持ちを切り替えて、すぐに前向きになれる考え方を紹介していきます。
気持ちを切り替えられないとはどういう状況か。
気持ちを切り替えられないという状況を乗り越えるためにも、まずはその気持ちを切り替えられないとは一体どういうことなのかについて理解する必要があります。
気持ちを切り替えられないというのは、自分の感情が何か特定のことに縛りつけられている状態のことです。
過去の事に縛られているとき、後悔、罪悪感、悲しみといった感情を抱きます。
未来のことに縛られているとき、心配、不安、焦りといった感情を抱きます。
その両方のことに縛られているとき、人は、嫉妬、怒り、絶望といった感情を抱きます。
つまり縛られていることというのは人それぞれ異なりますが、気持ちをうまく切り替えられないという人に共通していることというのは、何か特定の感情から抜け出せないでいるということなのです。
ある特定の感情を抱き続けているということは、ある特定の認知も同様に抱き続けているということになります。
ある特定の事実に対する認知のあり方、その捉え方にこそ、気持ちを切り替えられないという根本的な原因があるということです。
物事の捉え方を何とかすることによって、気持ちを切り替えられないという問題にもうまく対処していくことができます。
それでは一体どうすれば気持ちを切り替えることができるというのでしょうか。
その方法は二つしかありません。
それは、認知の対象を変える、認知のあり方を変えるという二つの方法です。
過去か未来、もしくはその両方に、またぐようなある特定のことに意識の焦点を合わせ続けてしまっているから、ある特定のネガティブな感情に縛られ続けているわけです。
そのため、全く関係のない別のことに集中すればよいのです。
そうすると、気持ちを切り替えるといった努力は一切必要なく、勝手に気持ちが切り替わっています。
しかし、現実問題としては人間はそんなに甘くはできておらず、一度気になってしまったことというのは、何があってもどうしても気になり続けてしまいます。
一瞬別のことで気がそれたとしても、時間が経つと吸い寄せられるように、また気になってしまうものです。
もうひとつの方法は、認知のあり方を変えるという方法です。
認知の対象を変えられないのなら、認知のあり方を変えるしかないというわけです。
認知のあり方を変えるというのは、たとえばそれまでは絶対に何々でなくてはならないと捉えていたものを、必ずしも何々ではないよねと捉え直すことです。
気持ちを切り替えるためには、まず最初の取り組みとして認知の対象を変えるということを行っていきます。
それでうまく気持ちを切り替えられたのでしたら成功です。
しかし、なかなかそれがうまくいかないようでしたら、次に認知のあり方を変えるという方法を試してみましょう。
人間は考える生き物ですから、認知を完璧にゼロにすることはできません。
つまり、必ず何かしらを意識してしまうわけです。
そのため何も考えない、何も考えないと無になろうと努力してもその目的は叶わず、そうするよりも、何か全く別のことに集中した方が、手っ取り早くまた効果的です。
そのためにおすすめの方法は、掃除をすることです。
掃除は自分の心についたチリやホコリを払って、心を磨くものであると昔から考えられています。
掃除をしているときは片付けるものそれ自体に意識がいきますし、そのために体を動かすことになりますので強制的に認知の対象は変わります。
それに掃除をして家が綺麗になると、それまで感じていたモヤモヤも一緒になくなるものです。
次におすすめの方法は、マインドフルネスの状態を心がけることです。
マインドフルネスとは、自分の意識を今というこの瞬間に定め続けることをいいます。
マインドフルネスの状態を心がけると、自然と自分の意識は今この瞬間に行っている呼吸の動作、鼻から入って口から抜けていく空気の感覚、また床に接している足の裏の感覚というように認知の対象は変わります。
また気持ちを切り替えられないことの原因は、気持ちが過去か未来に縛り付けられていることにありますが、マインドフルネスによって今というこの瞬間的だけに集中することで、それまで縛られていたことからも自然と開放されます。
そして、三つ目におすすめなのが紙に書いて捨てるという方法です。
心がもやもやしてる時には、そのモヤモヤの正体が一体何か、紙に書き出すのはとても効果的です。
紙に書き出すことで、遠くの方から自分の事を眺めることができるようになるのです。
そして、その書き出した紙をくしゃくしゃに丸めて捨ててしまいます。
その際、良い悪いといった判断も、全部一緒に来て捨ててしまいます。
今更あれこれと考えたところで何も変わらないので、さっさと別のことを考え始めるということです。
三つのアイデアを試してみて、それでも気持ちを切り替えられないようでしたら、今度は次の方法 認知のあり方を変えるというのを試してみましょう。
認知のあり方を変えるためには、次の方法のいずれかでうまくいかないか試してみましょう。
原因解明とはマイナスをプラスに転じようとする働きかけのことです。
気持ちが切り替わらないのはなぜか、その原因は何かを考えます。
そしてその原因を解決できないかを考えます。
もし原因が明らかになり、そして解決策も思い浮かんだのならば、その原因を解決することで気持ちを切り替えられるということがわかります。
今まで縛られていたものを解決することによって、自分の気持ちを解放することができると分かるので、認知のあり方もネガティブでマイナスのものから前向きでプラスのものへと変化します。
もし原因解明がうまくいかなかったら、正当ができないか考えてみましょう。
マイナスの感情に縛られるというのは、つまり事実が自分にとって良くないものであると思い込んでいるからです。
そのため、どんな理屈でも良いので、その事実は自分にとって良いものであったのだと捉え直す余地がそこにはないか考えてみるのです。
長期的に見て、これは明らかに成長の糧になったなど、それまでネガティブに判断していたことを自分にとってポジティブで良いものだったと捉え直せるように正当化します。
もし正当化もなくできなかったら、今度は相対化という方法をとりましょう。
相対化というのは、それまで絶対だと思って疑わなかったことを、本当にそうなのと疑問視することを言います。
実は自分の感情がある特定の物事に縛られているときというのは、決まってそこに自分の固定観念というものが隠れています。
固定観念とは絶対にないんじゃなくてはいけないといった、自分の中にある頑固な考え方のことです。
自分の中にあるネガティブな認知の在り方に対して、別に必ずしも何々なんてことはないのでは、別に何々がなくったっていいんじゃないのというように疑問を投げかけることです。