物事を明るく肯定的に考えれば、頭脳活動も体調も最高の状態になるのですから、何事も成功の確立はかなり高くなります。
失敗する場合もあるでしょうが、失敗しても頭は冴えていますから、適切な善後策がとれ、被害が最小限にとどめることができます。
しかし、きっと成功すると肯定的に考えていても、わずかな疑いやためらいが頭をよぎることもあるでしょう。
こうなると頭脳活動に急にブレーキがかかり、やる気や意欲が消滅してしまいます。
ソマトスタチンと呼ばれるホルモンが分泌され、このホルモンの働きによって、満足やチャレンジのホルモンの作用が抑制されてしまうからです。
脳は、信じれば救われる構造になっていますから、心から成功を信じ、プラス思考で望んでください。
また、心の奥底に何らかの後ろめたさがある場合にも、ソマトスタチンが分泌され、正常な頭脳活動が抑制されます。
他人をだまし、世をあざむいてだまそうとしても、自分はだませないので、どうしても後ろめたさが残ります。
その気持ちがある限り、ソマトスタチンが放出されるため、成功を手中にするのは困難です。
結局、脳の構造からして、明るく、正しく取り組むことが、成功の早道となると言えるでしょう。
「背水の陣」とか、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあり」という先人の教えの通り、絶体絶命のピンチに追い詰められたとき、私たちは、案外、驚くような力が発揮できるものです。
例えば、現代医学では治療法のない難病にかかったり、破産の危機に直面したときなど、恥や外聞を気にしているゆとりなどありません。
「苦しいときの神だのみ」で、神の存在などともかく、病気の回復や窮地から脱出を一心不乱に願うこともあるでしょう。
この場合、ソマトスタチンは分泌されませんから、肯定的なほど100パーセント働かせることができ、能力を発揮することも可能になります。
難病を治す自然治癒力は高まり、起死回生の妙案も飛び出して来るのです。
通常、絶体絶命のピンチなどそうそう起こることではありませんが、そのメカニズムをうまく活用すれば、マイナスの思考、行動パターンをプラスに変えることができます。
かりに、仕事の締め切りが間近に迫っているにも関わらず、予定の半分もこなせていないとき、不安や焦りでいっぱいになります。
このような場合、「もう何日しかない」と否定的に考えず、「まだ何日ある」と肯定的に考えたほうが、緊張感が解けて仕事もうまくいきやすいと多くの心理学者は説きます。
しかし、脳の構造からすれば「もう何日しかない」式にいったん否定的な事実を認めたうえで、肯定的な意識に変えていくやり方の方が、より意欲的になり、成功する可能性も高くなります。
具体的には、否定的な状況を認めたうえ、「なんとかなる」「きっとうまくいく」と、不安や不満、あきらめの気持ちを捨て、チャレンジの気持ちを抱いたり、成功したときの、満足の状態を想像してみます。
すると本当にうまくいきます。
成功を確信すれば、肯定的なフィードバックが強く働くため、実力が十分に発揮できるのです。
否定的な流れから肯定的な流れに変えると、目標に向けての努力が苦にならなくなります。
トレーニングを行っていると否定的な流れが反射的に肯定的な流れに変わるのが実感できるはずです。