運動することは、肉体面での強化だけではなく、メンタル的な強さにもつながっていく。
慢性的なストレスに悩まされているという方は、自分自身をストレスに強く生まれ変わらせていけばよい。
有酸素運動や筋トレといった運動に取り組んでいる方は、普段の取り組みがいかに自分自身を精神的なストレスに対して、
強くしているのかということを知ることでモチベーションを高めることにつながります。
ストレスとは一体何なのでしょうか。
思いつくのは、精神面に大きな影響を与えやすい社会的なストレスではないでしょうか。
仕事上での責任であったり、受験勉強からくるプレッシャー、複雑な人間関係、将来への不安など、ストレスと呼べるものは探せば他にもあります。
例えば、お腹が空きすぎてイライラしている時に感じるストレス。
眠たいのに起きていなくてはいけない時に感じるストレス。
このようにストレスと一言でまとめられがちですが、見ていくと事の重大さも全てバラバラです。
運動によって、肉体的に疲れる時に感じる辛さも、ストレスの一種であり。
脳の中で起きていることは、実はどのストレスであっても基本的には同じということです。
それはどういうことなのかと言うと。
ストレスにはその内容はともかくとして、体の均衡を脅かすものに対する対抗反応という共通点があります。
体の均衡を脅かすものに対して、反応するためには脳細胞の活動が必要であり、脳細胞の活動のためにはエネルギーが必要です。
そのエネルギーを作り出す過程で燃料が燃やされるわけですが、そのプロセスの中でも細胞は消耗し傷つきます。
この時に脳細胞が受けているダメージを、感情的に捉えたものがストレスという感覚なのです。
つまり、感じるストレスが社会的なプレッシャーのものであろうと。
空腹や寝不足といった生理的な反応のものであろうと。
肉体的な疲労といったものであろうと、脳内で起こっていることは基本的には同じであり。
そこでは何かしらの体の健康を脅かすものに、対抗するためにエネルギーが作り出され、その過程で脳細胞がダメージを受けているわけです。
それでは一体どうして、そのような反応を私たちはしているのでしょうか。
その答えは、以前よりも強くなるためです。
脳細胞は傷つけられると以前よりも強くなって回復します。
以前よりも強くなって、回復するとどうなるのかというと、同じ状況に合わせたとしても動じなくなります。
つまり大勢がついたということです。
このことは、例えば予防接種をすると一時的に肉体はダメージを受けるけれども、そこから回復をすることで免疫をつけられるということ。
筋トレをすると、一時的に筋肉はダメージを受けるけれども、そこから回復することで、筋力が上がるということと。
どうして私たちは社会的なストレスに悩まされ続けているのでしょうか。
どうして慢性疲労などという症状が存在するのでしょうか。
その理由は、仕事のプレッシャー、人間関係、将来への不安といった社会的なストレスは想像の産物という側面が強く。
解消することがなく、ズルズルと続いてしまいやすいという特徴があるからです。
つまり回復するタイミングがないため、当然強くなれないわけです。
強くなれないところがダメージを受け続けていると、最終的には脳細胞は死に、脳は萎縮してしまいます。
それでは回復することができないのなら、私たちは社会的なストレスを前にしてなすすべがないのでしょうか。
いいえそんなことはありません。
実は運動することによって、社会的なストレスに打ち勝つことができるようになるのです。
運動することでストレスに強くなるには、先ほど筋トレの例を挙げ、筋トレによるダメージから回復すると筋力が上がるという話をしましたが。
筋トレや有酸素運動といった運動のすごいところは、そうした筋肉的な回復だけではなく。
脳細胞の回復プロセスにもスイッチを入れるということになります。
運動によるダメージも、社会的なプレッシャーからくる負担も同じように。
体の健康を脅かす者に対する対抗反応、すなわちストレス反応として捉えるため。
当然、運動によって、脳細胞も強く回復するわけです。
細胞が強く生まれ変わるとストレスへの反応の閾値が上がります。
つまりちょっとのことでは、ストレスに感じなくなるということです。
例えば、今まで3分走ってヘトヘトだった人が、毎日走り続けることで20分くらいなら、心地よく走れるようになったとしましょう。
その時、その人は3分走った時にストレスに感じていたのに、今では全くストレスに感じておらず、むしろ心地よい刺激くらいに思っているわけです。
この事実は、表面的に見れば単純に体力がついたという話なわけですが、それ以上の成長があります。
つまり20分走れるようになったその人は、3分走って下手だった時と比べると、日常におけるその他ストレスへの耐性が上がっているわけです。
運動によるストレスも社会的なストレスも法的にはどれも同じストレスです。
脳細胞はそうしたストレスへの反応を通じてダメージを受けるわけですが。
そのダメージから回復するプロセスで以前よりも強く生まれ変わります。
しかし運動によるストレスには回復のタイミングが即座に訪れますが。
社会的なストレスには回復のタイミングが与えられず、ズルズルと長引くことがあります。
回復のタイミングがないと脳細胞がダメージを受け続け、最終的には死んでしまいます。
脳細胞が死んでいくと脳は萎縮し、慢性疲労やうつ病といった症状として表面化してきます。
社会的なストレスを前になすすべがないのかと言うとそういうわけではありません。
運動すれば、運動によるストレスに対抗して、脳細胞が以前よりも強く生まれ変わります。
強く生まれ変わった脳細胞は、運動によるストレスのみならず、社会的なストレスに対しても強くなっています。
つまり運動することによって、日々の生活で直面するありとあらゆるストレスに対して強くなることができ。
この現代社会を楽しくストレスなく、自分らしく生きるための土台を自分の中に作ることができるようになるわけです。