脳と体をつなぐ糸がある。
糸のことを神経と呼んでいます。
神経には中枢神経と末梢神経の二つの神経があります。
中枢神経は脳そのものと腰まで延びる神経の束、脊髄の総称。
その神経の束から隅々まで張りめぐらされた糸が末梢神経。
この末梢神経が体性神経と自律神経に分かれています。
体性神経は、熱いやかんに触れたとき急いで離す知覚神経、手当を考えて脳からの命令で水をかける運動神経。
自律神経は心臓、肺、腸に伸びていて、無意識のうちに私たちを生きるために自動操縦するための神経です。
交感神経、副交感神経があって、それぞれスイッチ、オンオフ切り替える。
本人じゃできない。
無意識のうちだから扱いにくい。
眠んなきゃと思うと眠れなくなっちゃったということがあります。
成人の血管は約10万キロ。
地球2周半の神経が人間の体の中を走り回っている。
自律神経の交感、副交感神経のバランスは一日で変化し、日中は交感、夜は副交感に。
スイッチ切り替えでオンになる。
互いに交感、副交感はアクセルとブレーキの関係。
交感神経は血管を収縮させる。
副交感神経は緩める。
収縮すると血管は細くなる、細くなると血流は速くなる。
弛緩すると広がって血流は緩やかになる。
速くなりすぎると白血球、赤血球、血小板が血管の内側の皮を傷つけて、それが血栓となって脳梗塞、心筋梗塞の原因となる。
すべて血流、血の流れであります。
血流が悪くなると、血液の質そのものが低下する。
交感神経が活発になりますと体がアクティブに、そこに興奮物質のドーパミンとか、エピネフリンが後押しをする。
ところが後押しすぎると反動で必要な時に、このホルモンが出なくなる。
いつも交感神経を活発化せないほうがよいのかもしれませんけど。
この活発になるといことは心によって起きる。
怒り、恐れ、緊張、それらのものが活発にさせる。
親指に力が入ると全身が緊張する。
採血の時に、手の平のうちに包んで握ってくださいと言われます。
あれは交感神経を刺激して血液を細くして浮き上がらさせている。
親指を強く握ると緊張が高まるんですって。
親指は交感神経の指揮棒みたいなところがある。
思いきって手を広げます。
そうすると副交感神経が優位になるそうです。
広げるだけで。
笑顔は、作り笑顔でも副交感神経をオンにする。
手を広げて思いっきり笑顔になってください。
そうすると怒れない。
怒るときは、握りしめている。
無意識のうちに動かすとは言いつつも。
心の持ちようではオンオフはしっかりと。
呼吸は一分間に15~20回程度。
するとゆったりオンに。
緊張すると脳の判断、思考、発想は低下します。
呼吸が浅くなる。
生きの仕方一つで、交感神経と副交感神経が入れ替わる。
せわしない息をすると緊張して交感神経が入ってくる。
ゆったり息をすると副交感神経で力が抜ける。
交感神経が活発になると体の一か所だけオフになる。
それが胃腸なんですって。
交感神経が活発になると、胃腸だけが休みの体制になる。
そこをオンにするのが副交感神経。
バタバタ動いているとお腹がすかない。
仕事が終わったりすると腹が鳴ったりする。
これは誰しも経験はあると思います。
交感神経、副交感神経は免疫、血管に影響を持っております。
交感神経がオンだと、顆粒球が大きな細菌の異物と戦う。
白血球が増えて体が戦ってくれる。
さらに副交感神経がオンだとリンパ球が増えて、小さな細菌のウイルスと戦う。
ぐっする眠っちゃったら風が治っちゃったみたいな。
免疫力、深く眠ることで病気がよくなる。
免疫システムというのは、交感がオンで過剰しすぎると顆粒菌が増えすぎて、味方である菌まで殺し始めて免疫力は下がってしまう。
反対に副交感神経が過剰にオンになるとリンパ球が増えすぎて抗原に反応してしまう。
これがアレルギーになる。
副交感神経にダメージを与えるのが睡眠不足。
睡眠不足は腸にダメージを与える。
腸をコントロールするのが副交感神経。
便秘というのは腸の内容物を移動させる力がなく、蠕動運動(ぜんどううんどう)で腸そのものが便を運べない。
それが便秘。
あきらめることから始めましょう。
あきらめたら次の日から張りがなくなった。
これはいったい何だろう。
腸を支配している無意識の副交感神経が、あきらめることによって優位にいたる。
あきらめるとう心境が健康を招く。