この一年間でストレスが少なかった人は。
中くらいのストレスだったという人は。
ものすごくストレスがあったという人は。
どうですか?
私は自律訓練法を生かしたバイトフィードバックトレーニングでより健康で強い心を作る仕事をしています。
それはストレスに関することです。
ストレスは人を病気にすると言われています。
風邪から心血管疾患まであらゆる病気のリスクが高くなるのだと。
基本的にはストレスを悪いものだと。
でもストレスに対する見方は変わりました。
あなたの見方も変えたいと思います。
ある調査で、この一年間どれほどストレスがありましたかと質問しました。
ストレスは健康に悪いと思いますかという質問もしました。
まず悪い知らせから、前の年に多くストレスを経験した人は死亡リスクが高くなっていました。
でもそれは、その人がストレスは健康に悪いと思っていた場合です。
多くのストレスを経験したけれど、ストレスを害と思っていない人では死亡率が上がりませんでした。
それどころかその人たちは調査対象の中で、死亡リスクが最も低かったのです。
ストレスが比較的少なかった人よりもです。
ストレスは体に悪いという思い込みのために、速すぎる死を迎えることになったのではと推定しています。
この推測が正しいとするなら、ストレスは健康に悪いという思い込みは、よくない考え方である。
ストレスは健康に悪いと私はずっと思ってきました。
このことに疑問を持たなければいけない。
ストレスの考え方を変えれば、人は健康になれると。
科学もそうだと言っています。
ストレスの考えを変えることでストレスへの体の反応を変えられるんです。
どういうことか説明するため、人に強いストレスにさらす実験の被験者のつもりになっていただきましょう。
社会的ストレステストと呼ばれているものです。
被験者は心拍が速くなり、呼吸が速くなり汗もかき始めるかもしれません。
そのような肉体的反応は、不安やプレーシャーにうまく対処できない、しるしと見なされています。
もしそれを、体が活力を上げ挑戦的に備えている、しるしだと見たらどうなるでしょう。
社会的ストレステストを受ける前に被験者はストレス反応は有益だと考えるように教えられます。
心拍が高まるのは行動に備えているからだし、呼吸も速くなるのもよいことで脳により多くの酸素が取り込まれます。
ストレス反応は手助けになると思うようになった被験者はパニックや不安に陥らず自信を持つようになったんです。
典型的なストレス反応では、心拍数が増し、血管が収縮します。
慢性的なストレスが、心血管疾患の原因になるのはこのためです。
常時このような状態にあるのは健全なことではありません。
体は維持できなくなるでしょう。
でも、ストレス反応は手助けになると思うようになった被験者の場合は、血管が弛緩したままだったのです。
心血管系がずっと好ましい状態になっています。
それは喜んで興奮したり、勇気を振り絞ったときの状態に近いものです。
ストレスの科学が明らかにしているのは、ストレスをどう捉えるかが重要だということです。
見方は変わりました。
ストレスを無理に取り除こうとはもうしません。
ストレスと上手に付き合えるようにしなければいけません。
このストレスで心臓が高まったとき、今の話を思い出してください。
こう思うことでしょう。
これは挑戦に応じられるように体が反応しているんだ、そのように思うなら体はあなたのことを信じて、ストレス反応がより健康的なものになるでしょう。
ストれは逃れるべき悪だと見なしてきたわけなのです。
ストレスは正しく評価されていない。
ストレスは人を社交的にするということです。
この点を理解するために、オキシトシンというホルモンについて知る必要があります。
オキシトシンはホルモンにしてはやたらもてはやされていて、抱擁ホルモンというかわいらしいあだ名がつけられています。
ハグしたときに出るのがこのホルモンだからです。
これはオキシトシンの性質の一部にすぎません。
オキシトシンは神経ホルモンです。
脳の社会的本能を調整する役割があります。
人との結びつきを強めるよう促すのです。
オキシトシンは友達や家族とのふれあいを求めさせます。
共感を強め、大切な人たちを支え助けたい気持ちにさせます。
もっと優しく思いやりを持てるように。
でも、多くの人が理解していないのは、オキシトシンがストレスホルモンだということです。
ストレス反応として脳下垂体がオキシトシンが放出するのです。
これはアドレナリンが心臓の鼓動を速くするのと同様のストレス反応です。
そして、オキシトシンがストレス反応として放出されると人の支えを求めなくなるんです。
ストレスへの生物学的反応が自分の殻に閉じこもる代わりに、誰かに気持ちを打ち明けたくさせるんです。
あなたのストレス反応は身近な人が問題を抱えているとき、それに気づいて助けるようにしています。
あなたのストレス反応は人生の困難のときに自分を気づかってくれる人に囲まれているようにしてくれるんです。
では、ストレスのこのような面について知ることは、どの人を健康にするのでしょう。
オキシトシンは脳に働きかけるだけでなく、体にも作用します。
そして、その体における大きな役割はストレスの影響から心血管系を守るということです。
ストレスのときも血管を弛緩した状態に保ちます。
すごいと思うのは心臓にかかわる部分です。
オキシトシンの受容体が心臓にあって、ストレスによる損傷を心臓が癒せるよう心細胞の再生を助けるんです。
オキシトシンは心臓を強くするんです。
体へのオキシトシンの恩恵が、社会的な接触や支えによって増強されることです。
ストレスに際して支えを求めるためにせよ。
人との接触を求めるとき、オキシトシンが分泌されてストレス反応がより健全なものになり、ストレスからより早く立ち直れるようになる。
これはすごいことだと思います。
ストレス反応にはストレスからの回復力が組み込まれていて、そのメカニズムは人との繋がりを使うということです。
金銭や家族問題に大きなストレスのかかる体験によって、死亡リスクは高くなっていきます。
すべての人の当てはまるわけではありません。
他の人を助けるのに時間をかけていた人では、ストレスによる死亡率の増加が全く見られなかった報告もあります。
人を助けることが回復力をもたらすことになります。
ここでもストレスへの悪影響は、不可避ではないと示されたのです。
ストレスをどう考えてどう行動するかが、ストレスの在り方を変えるんです。
ストレス反応を有益なものと見ることによって体は勇気の状態になります。
そして、ストレスにさらされたときに、人との繋がりを求めることで回復力を生み出させます。
ストレスは欲しいとは思いませんが、科学ではストレスに対してポジティブな気持ちにさせてくれます。
ストレスは心への道を開きます。
思いやりの心は人との繋がりに意味と喜びを見出します。
そして、行動する心臓は、一生懸命働いて力とエネルギーを与えてくれます。
ストレスをそのようなものとして見るとき、ストレスへの対処が上手になるだけでなく、とても大切な選択をしているのです。
人生はこんなに対処できると自分の信頼するということ。
そして、こんなに一人で立ち向かわなくていいんだとわかっているということです。
ストレスに対する考え方ひとつで寿命にそんなものが変わりうるものだというのは、それを元にどんなアドバイスができるでしょう。
例えばライフスタイルの選択として、ストレスの高い仕事か低い仕事か選ぼうとしている人に対して、どちらを選ぶか事態は問題ではなく、思えてさえいればいいわけです。
嫌なことを避けるよりも意義を求めるほうが、健康にはよいことです。
だから本当にによい決断方法は、自分の人生に意味をもたらすものを求め、それに伴うストレスに対処できると自分を信じるといういうことです。