外出時だけではなく、暖房の効いた暖かい部屋から廊下に出るだけでも大きな温度差に見舞われることがある。


体温調節機能が衰えがちな高齢者は小まめに衣類を着脱することが大切。


薄い部屋着のままで外に出ると、15mmHg以上の血圧上昇を招き、脳卒中や不整脈、動悸などを起こす危険が高まる。


上着を着ずに部屋着のままで近所に出かけることにも、動悸や軽い頭痛など起きるリスクがある。


高齢者は、寒い場所に行っても寒さを感じにくかったり、寒さを感じるまでに時間がかかったりする傾向があります。


寒いと感じる前に暖かい衣類を切る習慣を身に付けることが大切です。


ただし、意識するあまり、重ね着をしすぎるのは逆効果です。


汗をかいて濡れた衣服が体を冷やしてしまう上、重ね着をすることで体の表面積が増えて、体外に出ていく熱の量も増えてしまう恐れがあるからです。


ではどういう着方をすればよいのか。


静止した空気の層を幾重にも着込むというのが基本。


具体的には、繊維と繊維の間に対流しない空気をいっぱい保つことができるフリースのような素材がおすすめです。体から出てくる熱は逃さず、汗は体の外に逃してくれます。


風のある場所に出る場合は、フリースなどの上にウインドブレーカーのような風を通さない軽い衣類を羽織ること。


寒く感じたらファスナーを閉めて暖かい空気を着込み、熱く感じたら少しファスナーを開けるだけで蒸れた空気を外に出して換気できます。