私たちは日常生活のさまざまな場面で汗をかく。

 

汗は体の正常な働きであり、異常があれば汗の出方も変わることがある。


汗は大きく分けて温熱性発汗と精神性発汗の2種類がある。

 

温熱性発汗の場合は、体温の上昇を受けて脳の視床下部にある体温調節中枢が働き、手のひらや足の裏を除く全身で汗の量が増える。

 

汗が蒸発する際に体から熱を奪い、体温を下げる仕組みだ。


一方、精神性発汗は、ストレスを感じるなど精神的な刺激を受けることで起こる。

 

発汗をつかさどる中枢は間脳の扁桃体や、大脳辺縁系の海馬、大脳の前頭前野にあると考えられている。


精神性発汗では汗の出る場合は手のひらや足の裏などの限られ、汗の量は少ない。

 

温熱性発汗ではじわりと汗が出るのに対し、瞬時に汗が出てくるという特徴もある。


精神性発汗は、さまざまな病気のシグナルにもなる。


たとえば、原因不明の原発性局所多汗症では手のひらや足の裏に、日常生活に支障をきたすほど大量の汗が出る。


精神性発汗で出る汗の量を測ることにより、こうした病気の診断や薬など治療の効果で評価ができる。


精神性発汗には自律神経がかかわっており、状態を調べるのにも発汗計は役に立つ。