糖尿病の人にとって、病気の治療や合併症の予防に血糖のきちんとした管理が欠かせない。
このほど上腕の裏側に500円玉大のセンサーを貼り、14日間、いつでも手軽に血糖値がリアルタイムで分かるシステムが発売され、血糖の管理に大きく役立つと期待されている。
この装置は血糖モニタリングシステム「FreeStyleリブレ」(商品名)。
糖尿病でも、インスリンが作れない1型の場合、血糖のコントロールと血糖値の測定が本当に大変。素晴らしいセンサーが出てきた。
今回のシステムは、上腕の裏側の皮膚に直径3.4㌢の丸いセンサーを貼り付けるだけ。
真ん中には針に代わる細いフィラメントが付いており、皮膚に刺さって血糖を測る。痛みはほとんどない。耐水性で入浴も可能。2週間貼ったまま測定でき、その後は使い捨て。
データの読み取りは、センサーの近くでリーダーをかざすだけ。服の上からでも読み取れる。
これまで血糖を自己測定するには、指先に針を刺し、血を絞り出して血糖値を測る方法が中心だった。
指先を穿刺する際の痛みだけでなく、測定の際の場所探しや器具の廃棄も大変だった。
このセンサーの登場で、指先を刺す痛みから解放されるだけでなく、過去8時間のグラフも表示され、血糖が上昇傾向か、下降傾向かも分かる。
糖尿病のコントロール目標は通常の血糖検査では、指標となる「HbA1c」(ヘモグロビンエーワンシー)で7%未満。
これは過去2~3カ月の平均を表すと考えられるが、平均値では高血糖や低血糖などばらつきの有無を見分けられない。
ばらつきがあって、変動幅が大きいと血管に損傷ができやすく、心血管疾患が起きやすくなる。
また低血糖が多いと致死性不整脈のリスクが増し、命を落とす危険性が増すとされる。
今回のシステムは、いつでも測定可能で血糖値の変動幅を小さくでき、一歩進んだ治療と管理が可能になる。
指先穿刺より医療費も安く、患者さんも行動計画を立てるのに決断しやすくなる。
このシステムで24時間血糖の見える化が可能、個人に合わせたテーラーメードの管理ができる。普及すると1、2年で糖尿病の治療が変わりそう。