高齢になると、視力や運動能力、認知機能などが低下する傾向にある。だが、車がないと生活に困るので、運転をやめられないこともある。

 

高齢者が安全に運転を続けるには、どうすればいいだろうか。

 

高齢ドライバー約4千人のデータを分析して作成された「高齢ドライバーのための安全運転ワークブック」(監修・日本交通心理学会)は、高齢者が自らの運転の現状を知る手掛かりとなる冊子だ。

 

「操作がぎこちなくなった」「長く運転できなくなった」などの設問に答えていくと、運転の危険性が判定される。その対策として挙がられているのが補償運転だ。

 

「夜間の運転をひかえる」「以前よりスピードを出さない運転をする」など、心身の衰えを補い、危険を避ける安全運転の方法である。

 

事故を防止するため、補償運転を推奨する。だが長年、車に乗ってきた高齢者は、自分の運転に自信を持っている場合がほとんどという。

 

独りで自分の運転を振り返り、反省するのは難しいので、道路交通法で定められた高齢者講習を利用してほしい。

 

全日本指定自動車教習所協会連合会によると、70歳以上の人は主に免許更新時に、自動車教習所などで高齢者講習を受講する。

 

実技では受講者3人が交代で運転し、その様子をドライブレコーダーなどで記録。その映像を見ながら、同乗した指導員が一時停止や交差点での安全確認といった課題を指摘。

 

運転の改善に役立ててもらうという。人のふり見て、わがふり直せというが、他の受講者の運転を見ることで、自分の運転を反省する機会にしてほしい。

 

このほか、車を購入する際、安全装置が付いた「安全運転サポート車」を選ぶことも危険を避ける良い方法の一つだ。

 

衝突しそうな場合、自動でブレーキが作動する機能のほか、ブレーキとアクセルのペダルを踏み間違えても、急加速を防止する装置がある。

 

反対車線にはみ出しそうになった場合や、はみ出した場合、運転者に警報を鳴らす装置などもある。

 

車の機能の助けを借りて、より安全に運転することも考えてみてください。