飽食の時代に低栄養状態になることはないと考える人は多いと思いますが、実際は食生活の偏りや孤食などで「低栄養」や「低栄養リスクあり」と判定される人は珍しくない。
低栄養とは、健康な体を保って日常生活を送るのに必要な、エネルギーとタンパク質が不足した状態です。
身体的、精神的な要因や生活環境など、何らかの原因で食欲不振となり、体重が減ります。
食事量が減った原因は何か、それを見つけて解決すれば、食事量は元に戻せます。
食事量が少ない状態を長期間放っておかないようにすることが、元気を維持する秘訣です。
70代男性のAさんは以前、ティッシュに包んでおいた入れ歯を、ごみと間違えて捨ててしまいました。
新しい入れ歯を作るのは面倒なので、そのまま放っておきました。
すると食事が取りにくくなりました。硬めの肉はかみきれないので食べなくなりました。
ご飯もおかゆの方が食べやすくなり、家族に作ってもらいました。
食べられる量が今までよりも減り、特にたんぱく質を多く含む肉や魚の摂取量が減りました。
Aさんの体重は3カ月で3㌔減少。体力は落ちて、歩ける距離や歩数も減り、トイレに行くのも大変になってきました。
管理指導している人が自宅に訪問し、食事の聞き取りをした際に、口腔内に問題があることに気が付いて、歯医者さんに見てもらうよう提案しました。
入れ歯を作って入れたら、ご飯や肉を食べることができ、体重も増えて元気になりました。
Aさんは入れ歯なしで食事をし続けたため、食べられる物が減り、食事量も減った結果、低栄養状態になっていたそうです。