うつ病で治療を受ける人が増えている。患者数は今世紀に入ってから急増しており、減る兆しが見えない。
ストレスの増加や、診断基準が国際的に標準化され対象が拡大したことなどが原因ではないかとみられている。
「将来を悲観してしまう」「自分に失望する」「おっくうで働けない」「いらつく」「不眠」「疲労感」、こうした憂鬱状態が重症になったものが、うつ病だ。
頭が働かず体も動かないなど程度がひどく、その状態が2週間以上毎日続き、考える内容が病的で、日常生活にかなり大きな支障が出るというのが診断の目安になる。
考える内容が病的というには、例えば、自分が駄目な人間だから日本経済が悪くなっているというふうに、妄想的といっていいほどのひずみが出ることを言います。
厚生労働省の調査によると、双極性障害(そううつ病)と合わせた患者数は1990年代後半に43万~44万人だったが、2002年に約71万人と急増し、08年以降100万人前後で推移している。
どの国でも女性の割合が多く、女性ホルモンの影響という生物学的要因と、ハンディキャップによってストレスを受けやすいという社会的要因が指摘されている。
うつ病にはいくつかのタイプがあると考えられており、うつ病は時代によって変化しており、常に現代病なのです。
かつてはメランコリー型が多く、今はディスチミア型が増えたといわれる。
メランコリー型は「古典的うつ病」とも呼ばれ、きちょうめん、まじめ、他人に気を使う、自分を責めるタイプに人にみられる。
十分な休養と薬物治療が有効とされる。
ディスチミア型は別名「新型うつ病」。若い人に多く、症状は軽いのが特徴。仕事はできないものの余暇や趣味は楽しむことができ、自分を責めることは少ない。
薬物療法よりも、ものの見方をかえてストレスを軽くする認知行動療法などの精神療法が有効だ。
古典的うつ病はまじめな人がなるというイメージだったので本人も職場などで告白しやすかったが、新型はイメージが悪いために誤解されやすい状況がある。
周囲の理解が必要です。
非定型うつ病は、状況によって症状が左右されるのが特徴で、例えば楽しいことや良いことがあると、うつ状態が一時的に良くなる。
その上で①眠ってばかりいる②過食③鉛が体に入ったようなだるさ④対人関係でひどく傷つきやすいという症状が二つ以上当てはまれば、可能性がある。
高齢者のうつ病については、以前は認知症との鑑別が重要だとされていた。
しかし最近の研究では、認知症の初期症状だとする見方も出ており、診断は非常に難しいと考えられています。