厚生労働省の試算では、2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になると予測されている。

 

焦っているシニアもいるかもしれないが、人間の脳には特性というものがある。

 

それを踏まえた効果的なトレーニングを行うことが大切だ。

 

「赤!」「…青!」「…黄色!」

 

言葉は、赤く着色された「あお」や青色の「きいろ」など、実際の色と言葉が意味する色が異なっている。

 

言葉の意味に惑わされずに、「何色で書いてあるか」を答えるのが課題だ。

 

単純な遊びに思えるが、表示されたら即座に答えなければならないプレッシャーをかけられると、想像以上に戸惑ってしまうという。

 

こういう頭の使い方は「面倒くさいな」と感じますが、それこそが脳トレの最も重要なポイントです。

 

脳は、できないことをできるようになろうと試行錯誤を重ねるときに活性化する特性がある。

 

例えばニンジンの皮むきなら、一般的にはピーラーを使うより包丁でむく方が活性化しやすいが、包丁で楽々とむける人には逆効果。

 

自分にとって面倒くさいことでなければ脳トレにはなりません。

 

もう一つ重要なのが、できなかたことが努力の末にできるようになると、脳はたちまち沈静化してしまうという点だ。

 

極論すると、脳トレは課題ができるようになること自体はどうでもいい。できない課題に挑戦して、あがいて、できるようになっていく過程が大事なのです。

 

また、同じ作業でも、淡々とこなしている時よりも心を込めて行っている時の方が脳は活性化するという。

 

シニアの方は幼い頃、何事も心を込めてやりなさいとしつけられたと思いますが、あれはまさに脳トレの王道です。

 

ただ、心を込めて取り組むとより早くできるようになるので、沈静化も速やかに起きてしまうのですが。

 

人との交流にも脳トレ効果が期待できる。

 

特に、対面で表情や雰囲気を読みながら相手を理解しようとする会話や、自分が笑ったり、相手に笑ってもらったりすると効果が大きい。

 

年を取ると人と関わるのが面倒くさくなりますが、だからこそ脳トレになる。