「塩分の取り過ぎに注意」を耳にすることがあると思います。
どのくらいの塩分量が適切なのかまとめてみました。
過剰な塩分摂取が高血圧症や脳卒中を引き起こすことはよく知られていますが、胃がんの原因になっていることはご存じでしょうか。
1950年代に東北地方で行われた調査によれば、1日の塩分摂取量が25グラムもあったそうです。
当時、日本人の死亡原因の圧倒的な第1位は脳卒中でした。
その後、日本人の塩分摂取量は徐々に減り、最近では約10グラムといわれています。
これに呼応するように過去50年間で脳卒中による死亡率も10分の1にまで減少しています。
また同じ時期、胃がんによる死亡率もほぼ5分の1になりました。
減塩は海外でも進められています。
北欧フィンランドでは国を挙げての減塩運動が行われました。
30年の歳月をかけて国民の塩分摂取量を平均6グラム減らすことができ、結果的に血圧が10ミリHgほど低下したそうです。
米国農務省は多数の調査データをまとめた上で、1日の塩分摂取量を食塩に換算して1日6グラム以下に抑えるべきだとしています。
これを実現するための生活の知恵をまとめておきましょう。
まず食品は、生の素材から自分で調理することです。
缶詰やレトルト食品を買う際は、ラベルで塩分含有量を確かめてください。
出来上がった料理にしょうゆやソース、マヨネーズなどをかけないこと、外食でそばやラーメンを食べるときはスープを全部飲まないことです。
1日12グラムぐらいが最適としているデータもあり、極端な減塩は避けたほうがよいと思います。