がんの治療をしている患者で、体の痛みを感じる人は多い。
痛みの原因もさまざまだが、一方では「痛みは我慢するもの」という患者の意識は根強い。
国が定める現在のがん対策推進基本計画では、がん診断時から、痛みなどに対処する緩和ケアが必要とうたわれている。
痛みが治療に悪影響を及ぼすこともあり、専門家は薬剤などは進歩している。遠慮せずに医師に伝えることが大切だと呼びかける。
痛みを我慢する人は多い。がんの進行度と痛みは必ずしも一致せず、痛みを取ることは「最期の手段」ではない。
痛みの原因は、がん自体が組織を壊して起こるのではなく、抗がん剤の副作用や、治療のために体を動かさないことによる間接痛や筋肉痛もある。
がんが神経を刺激し、がんと関係ない部位が痛むことも珍しくない。
痛みを我慢していると、睡眠障害や食欲不振を招いて体力や免疫力が落ちたり、病気と闘う意欲を失ったり、治療への悪影響が生じてしまう。
治療が中断されるのではといった心配をする患者もいるが、痛みは我慢せずに医療者に適切に伝えることが大切だ。
痛みを説明するポイントとして、①どこが②どんな時③どんなふうに④どのくらい続くのか⑤痛みで困ることは何かを告げるといい。
痛みは治療を進める上でも重要な情報。
詳細を伝えることで、医師は原因を探り、薬の選び方も変えられる。