まだ熄えることのない灯りを信じて

                                     
                                     
            舞台から舞台へ
           探していたものが形を変えてゆく日々       
          街の灯りは今も賑やかなのに
         君の瞳は日増しに翳りを見せる
        路地裏から吹きつける ぬるい風が
       横切る車に立ち消される時
      脚を引き摺りながら歩く君に疲れを知らせるように      
     子供の頃を憶い出す謡が流れてくる              
    コートにかさばるバッグを抱えながら
   駅の自動改札に伸ばす指先が かじかむ               
  休息の場所もないけど まだ熄えることのない灯りを信じて
 自分にできることだけをやり続ける君の瞳は真っ直ぐなままに ---------------- 
替わることを拒む時 …それは 
 自分にいちばん欠けてる部分を微かに気づいた その瞬間を忘れた時
  替わることができないと思い込んでる時 …それは           
   過去の事実の一つ一つを想い越し 開き直る弱さを見せつける時    
    あるいは否定できない事実を曲げて匿すように
     許せない自分の存在を疑いながら生きてしまう無意識……
      そしてその苦しみが肉体の苦しみを超えた時
      「それは無理だ」と心の解放までも拒んでしまう
      どこが いちばん苦しくて 何が自分の中で許せないのか
     そのひとつひとつに整理がつかぬほど
    混乱し 自分を追い詰めかけた時
   見るもの聞くもののすべてを疑ってしまう
  どうしても可能性を秘めていた自分を忘れられず……
 雨の日に遣う傘も錆びてきたけど まだ熄えることのない灯りを信じて
自分にできることだけをやり続ける君の瞳は真っ直ぐなままに ----------------
 

                                     
                   

 

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     暖かい夜の海へ 
                          
                                
 夜が怖くて
  ベッドが冷たくなってしまっている時
   抱き寄せてくれる胸がほしいと……
    古めかしい愛を消し去るつもりなら
     一刻も早く服を着替え
      さあ 暖かい夜空の彼方へ ----------------
     以前 そんなふうだった君も
    今は 俺が側にいることで覆されたわけでもない
   確かに 君の身体以上に俺自身はまだ冷たい
  だから常に 今と違う所へ自分を投げ込んだとしても
 お互いに無意味な時間を過ごすだけかも知れない
相変わらず 自分の醜さを言葉で現してるのと同じことになる 
   
 このままずっと こうして君の側にいても
  このままずっと 君には自分しか見えないとしても
   俺は夜の海に没んだりはしない
    とりあえず 夜風に吹かれ 
     次の朝を迎える
      ただそれだけのことが 
       俺にもできるようになった
        たとえ君がどんな人間であったとしても
         君がどんな死に方をするにしても
          この目で君そのものを見て 
           この心で君に関わり
            この耳と声で 
             本当の君と言葉を交わすまでだ   
 夜が怖くて
  ベッドが冷たくなってしまっている時
   抱き寄せてくれる胸がほしいと……
    古めかしい愛を消し去るつもりなら
     一刻も早く靴を脱いで
      さあ 暖かい夜の海へ ----------------
   

   
 
 

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     September fool

 
                                                         
肌寒さが忍び込むこの部屋で
 独り善がりの恋の痛手は ゲージの撥んだギターのように なんだかおかしい
  ロナルドの麻薬撲滅宣言……
   マスコミに捩じ曲げられた真実
    そんなことはどうでもいい今
     好きな奴に好かれてもいない馬鹿らしさを眼に浮べ
      一日中 テレビの光を浴びつづけてた
      You said  あなたが何を云ってるのか解らない
    この街で迎える卑屈な秋の気配
   もう誰の言葉にも気を患わせたくない
  男がこんなになっちまったこと 笑って欲しい  September fool
 必要とされないこと……もう惜しみはしない
きのうに続く夏の曇り空
 その下で誤解しあう繰返し
  その疲れる付合は終りのない話のようで かなり退屈
   もう 身体で確かめても無駄かもな……
    俺にも捨てるべきものがある
     そんなことさえ判らない今
      この距離は俺がつくったものに過ぎないけど
       一日中 ひとつのことに溜息をついてた
       You said  私達って合わないのかな? 
     この街で誰にも弱いとこ見せたくないけど
    おまえの前では素直でいられた俺……
   こいつを当然の如く軽くあしらっても構わないぜ  September fool
  必要とされたいと願って もう気を落とすこともない

 
 

 
                                     86' sep.16th,pm 6 & 88' oct.

                                       BAD LIFE out takes