August 31, 2005
・・・かつて、あるFMラジオ番組だったか、広島出身の世良さんが、
「『スゲェ バンドが出て来たな』って、あいつらを観た時、
『ああ、俺たちの時代は もう終ったな』って思った・・・」
そんなことを言っていたのを覚えてる。
桑田さん、あなたのことですよ。
ここで決して、俺は、SASの存在を批判してるわけじゃない。
今でも色褪せることなく現役でやってる素晴らしい人達だし、
俺も好きな歌はいっぱいある。
以前、撮影の仕事で、鎌倉や湘南へ行った時も、
60代、70代の地元の人が、SASを応援して、
桑田さんの存在は自分たち神奈川県民の誇りであると信じてる。
そういう人の生の声も実際に聞いて確かめた。
そんなアーティストは他に日本にいるか?
しかも、まだ生きてる。バリバリの現役だ。
でもな・・・、それでも、
日本のミュージック・シーンをメチャクチャにしたキッカケは、
俺は、サザンの桑田さんにあると思う。
「あれでいいんなら、俺たちもバンドやろうぜ!」
と、そんな具合に、次郎も太郎も東京へ ノボって来た。
全部が全部、そうだとは云わない。
それ以下の一発屋も大勢いたし、流行り廃りで消えて行った人もいる。
でも、それ以上になったバンドもミュージシャンも演歌歌手も、
まだ観たことはない。
だいたいにおいて、桑田さんと矢沢さんは基本が違う。
ブルースもロックも、R&Bも、ちゃんと聴いてるし、
ジャズやクラシックだって馬鹿にしてない。いろいろ勉強してる。
流行の音が今だけのモノなのか・どうなのか、区別できる耳を持ってる・と思う。
ハンパじゃない。
ハンパな気持ちで「クラプトそ」とか演ったり、
ハンパな気持ちで白い琵琶型ベース を振り回してるわけじゃない。
ピコピコ鳴るボタンを押して喜んで、
あとはファッションで誤魔化したり、
マイクに唇くっつけてガナルとか、
そういうカラオケ・ボックスの延長のような歌は、
俺はどうも好きになれない。
音楽って何?
そんなことは問わないけど、
以前はもうちょっと、”心に響く歌”ってもんがあったと思うぜ。
http://ameblo.jp/badlife/entry-10003894276.html より
September 02, 2005
で、実は、桑田さんこそ、
反体制派の流れを受け継ぐ
”アウトサイダー”の何者でもない。
俺はそう思う。
そのことは一連のヒット曲、
あの人の作る素晴らしい名曲の中にも
チラチラと
さり気なく鏤められていて・・・ニクイ。
そういう面でも、桑田さんの作詞作曲能力は天才的だ・と思う。
”フォーク”という言葉が死語になって、世間に、
”ニュー・ミュージック”というジャンルが流行っていた当時、
あれよあれよと洋楽のヒット曲をパクリ撒くってた
日本の有名歌謡ミュージシャン達とは比べモノにならない。
俺もくだらん詩を書くけど、
桑田さんの歌詞は色々と参考になる。
しかも、俺のように、
The Smith のモリッシーや THE THE のマット・ジョンソン
が
”酔っ払って書いたみてぇな偏屈な詩
”ではなく、
若者の心にキャッチーでいて、アマク、切ない・・・。
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- The Rolling Stones
- A Bigger Bang
で、
今回、ストーンズの通産五十?枚目という新作に、
という曲がある。
これがどこか、俺には、何度
聴いても
”桑田風”に感じる部分もあって、やはり、
この時代の人々の心に、キャッチーでいて、アマク、切ない・・・。
SAS、桑田さんのファンにも是非、聴いてほしい。
で、その次の9曲目には、あの、キースのノックアウトの一発。
もうたまんない。
きっと桑田さんも、今回のこのアルバムを聴いて、
「チキショぉー!」とか云ってると思う。
そういう人でしょ。・・・俺は熱烈なファンでもないけど。
例えば、レイ・チャールズが亡くなった時、どんな心境だったか?
それは桑田さんやバラカンさんばかりではなく、
色んな人にとって、20世紀の世界の音楽シーンを締め括った
ひとつの哀しみだった。
俺自身も、ピーター・バラカンさんのラジオ番組
で、
初めてそのことを知った時、
まず桑田さんのことが頭に浮かんだけど、
「音楽の世界ほど、人間本来の自由がある世界はない」
ってことを教えてくれたうちの一人が、
盲目の黒人歌手、レイ・チャールズの存在だ。