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脳みその纏足


カルト宗教に無理やり入れられた宗教二世の状態を例えた言葉。


纏足とは中国の昔の習慣で、女の子の足が大きくならないように布でぐるぐる巻きに固め、男が女を支配する意図もあったもの。




縦にも横にも押しつぶされている。



これが精神的な部分で行われていると考えたら、そのとてつもない痛みがわかりそうな気がする。


しかもそれは実際の纏足と違い、目に見えない。


某カルトの被害者の一人として切実に願うのは、子供の信教の自由の保証だ。


親が信じているというだけでそのまま同じ宗教に入れられるというのは余りにも理不尽。


あらすじ

青豆という変わった名字の女性と、数学の塾講師兼小説家志望の天吾


2人は小学校の同級生で、今はお互いどこにいるのか、何をしているかも知らない。


しかし青豆は彼に会いたいと強く願っていた。


天吾も青豆も似たような親に縛られる家庭環境で、青豆は天吾に助けてもらったとき、一度だけ手を握った。


それぞれ生活しながら偶然にも同じ問題に突き当たることになる。


それは農業コミューンから発展したカルトの「さきがけ」と、正体不明の(人なのかも分からない)「リトル・ピープル」


天吾はさきがけの(元?)指導者の娘であるふかえりの語りを元にした小説に手を入れることで、ベストセラーに導くが、ふかえりの両親は長年行方不明な上、ふかえりも自らの意思でどこかへ身を隠してしまう。


一方青豆は、さきがけで性的虐待を受けて逃げてきた少女つばさと出会い、虐待を与えた人物を消す計画に関わることになるが、さきがけは非常に閉鎖的で情報が得られない。


何が起きているかは分からないが、さきがけの謎を解明しなければ前には進めない。


さらに青豆だけは、月が2つあったり、新聞を毎日読むのに知らないビッグニュースがあったりと、時空の歪みを疑う状態にいる。


彼女はそれを仮に「1Q84年」と呼ぶことにした。


感想


さきがけの問題だけならただの閉鎖的カルトの謎を解くミステリーだろうが、青豆だけ1Q84年に迷い込んでしまったように感じているというところがさらに謎を呼んで先が気になる。


序盤はつまらなかったが、青豆が月が2つに見えるようになってからは面白くなるので、途中で諦めなくてよかった。


責任を持ちたくないからと、特定の彼女をつくることに魅力を感じなかった天吾が、ふかえりに対して恋心を抱きつつあることは良い変化だと思う。


ふかえりでは若すぎるけれど、天吾は彼女をつくって、仕事でも責任を持つ立ち回りをしながら生きてほしい。


青豆は天吾を思い続けていてくれるし、同じ問題に関わるようになったことで再会して恋仲になるかもしれない。


責任のないセックスばかりしてきた2人に、愛の喜びを知ってほしいとおせっかいながら思う。



 

 



 

 



 

 



 

 



 

 



 

 


村上春樹の小説