こんな本が出ていたとは知りませんでした。

日本スターバックス物語

2015年に出版されています。

著者は、スターバックスが日本上陸した際の、スターバックスコーヒージャパンの立ち上げプロジェクトの総責任者。

この時、日本参入をしかけたのがサザビー(現サザビーリーグ)で、スターバックスに惚れ込んだエピソード、一店舗目のオープン、その後の拡大期の苦労など、当時の様子がとてもわかりやすく描かれています。

わかばは、たまたまなのですが、スターバックスの日本第一号店がオープンした時のことをリアルタイムで知っておりまして、コーヒーはそんなに飲まないのですが、近しく感じている次第です。

来月には、この一店舗目がオープンして25周年を迎えるという節目のタイミングで手に取ってみた次第。

急成長したベンチャー的な視点でも楽しめますが、一ファンとして、ややマーケティング寄り視点で、一番印象に残ったエピソード3点を、以下紹介します。



1) 出店戦略は「A商業地域のB地点を狙え」

当時のサザビーが活用していた出店戦略。

大きな商業地域には、ターゲットとなる(半歩先のライフスタイルを理解してくれる)潜在顧客がたくさんいる。

そこから一本裏通りに入ったB地点は、人々があまり立ち寄らないので、その分コスト面で有利になる。「半歩先」を求める顧客達なら、きっと「A商業地域のB地点」のお店の噂を聞きつけて来店してくれる、という訳です。

スターバックス日本一号店の銀座松屋通り店は、松屋銀座と銀座三越の一本裏手の店舗。銀座4丁目交差点からワンブロック。パーフェクトな立地ですラブ

ちなみに、この物件を紹介してくれた不動産屋さんの担当者、その後スターバックスの店舗開発責任者として引き抜かれたそうです爆笑事実は小説より奇なり。ご縁はどこにあるかわからないですね!



2) BHAG(Big Hairy Audacious Goal)のパワーワード

スターバックス、日本で一店舗目出すときに、ハワード・シュルツは既に日本での1000店舗出店という目標を持っていたのだとか。

当時の北米でのスターバックス店舗は425店だったのに❗️

ジム・コリンズのBHAG(Big Hairy Audacious Goal)「大きくて身の毛もよだつほど大胆不敵な目標」に基く目標。

ちなみにスターバックスは、サザビーと組んで日本上陸する前には、マリオットグループと組んで成田空港に出店するも7ヶ月で撤退した過去もあるんです。

再スタートから18年後には、見事1000店舗を達成。現在は1637店舗(2021年7月現在)。

25周年記念で、47都道府県オリジナルのフラペチーノが企画出来る通り、既に全都道府県に出店。

目標設定について、なんとも深く考えさせられるエピソードです。


3) お手本はセブンイレブン

今や都心のオフィス街は、ビル毎にスタバが入っていても驚かないけど、実はスタート時にお手本にしたのはセブンイレブンだそう。これには納得。セブンイレブンも、ビル毎にあるもんね。

今でこそ、種明かしなように話を聞いて頷けるけれど、あの'96年のオープン時に、オフィスビル毎にスタバがあって、毎朝テイクアウトして、手に手にスタバのカップを持ってみんなが出勤していく東京なんて、到底想像出来なかったですよね。しかも禁煙🚭


◆まとめ
下の過去記事にも書いた通り、銀座松屋通り店のオープン時に、リアルタイムでその上陸を体感したわかばです。

また、'80年代に、アフタヌーンティーやサザビーのバッグで育ちました。

その延長線上に、サザビーが仕掛けて日本に入ってきたスターバックス、かっこよかったです。熱狂的に支持するというよりも、カウンターですんなりオーダー出来なくてオタオタしてただけですけどニコニコ

一年以上のWFH生活で、すっかり引きこもりになりましたが、昨年までは、外資系企業勤務で、しんどい朝や午後に、オフィスのあるビルの一階にあるスタバでチャイティーラテ買って、スタッフさんにちょっと元気もらって「またがんばろー」って思える、そんな体験をすることがありました。

これって、ビフォー・スタバではなかったことですよね。

また、今わかばがロードバイクで走る幹線道路には、あちこちにロードサイド店舗のスタバがあります。これも、スタバ以降ですよね。今やいろんなコーヒー店がロードサイド店舗を出してますけど。

スターバックスの日本上陸。これは、確実に一つの新しいスタイル、文化を作ったと思います。

8/2当日には伺えないと思うけれど、お盆明け位には、テイクアウトで良いので、銀座松屋通り店に、また足を運んでみたいと思います。


過去記事: