二重らせん (講談社文庫)/講談社

DNAの二重らせん構造解明をめぐる自身の経験がまとめられた本です。
まだ半分も読み進めていないのですが、
寄稿された序文から面白いのが、
『ここで書かれている事柄は一部事実と違うことがある。
だが、著者の記憶のままの方が臨場感があってよいので、そうなっている』
という趣旨が書かれていることです。
科学者にとって誰が何を発見•解明したか、という業績や、
それは一体誰のアイデアなのか、という知的財産(?)は何より大切なはず。
その認識は関係者それぞれの立場によって違う、
あいつの言っていることはちょっと違うところがあるんだ!
と、格式高い文体の序文で主張されているのです。
確かに、同じ事象を見て、誰もが同じように認識することは、
世の中に存在しません。
人により事実の認識の仕方が違うので、
判断も異なれば、
行動も異なり、
生み出される成果も異なります。
であれば、全ての人に共通する物の見方を追求する不可能への挑戦よりも、
自分のオリジナルな物の見方を追求する方が面白いです。
事実、『二重らせん』の本も、
著者立場からのストーリーの生々しさが大きな魅力となり、
読みつがれています。
誰にも反論されない不変の物の見方よりも、
自分ならではのオリジナルな物の見方を。
一つひとつ紡いでいきたいものです。