電話に出た僕は麗奈に
『直ぐ掛け直す』と言い
一旦電話を切った

麗奈に掛かってしまう
電話代を気にしての事だ

僕は直ぐに掛け直した

麗奈が出た

初めて聞く麗奈の声

想像とは違ったけど
凄く可愛い声だった

麗奈は恥ずかしいらしい

メールの活発さの
面影もなく
何を聞いても
『うん…』ばかり

それがまた可愛い

僕は口下手だけれど
話しを繋げようと
他愛ない話しをした

気付けば
五時になっていた

僕達は惜しみながらも
電話を切った

直ぐに麗奈から
メールが届いた



緊張して殆ど話せなくて
ごめんね

普段は汗をかかない私が
今はビッショリなんだ

でも楽しかった

今度はちゃんと
話せる様にするね

仕事帰りで眠いのに
電話に付き合ってくれて
ありがとう



麗奈…
何を言ってるの

こちらこそ
ありがとうだよ

どんどん僕は
麗奈に惹かれていく

そしてあの日ついに
僕は麗奈に逢いに行った


僕達は毎日
何時間も話した

互いに既婚者なのに
料金だって大変なのに
そんな事も忘れて
二人の時間を楽しんだ

二人は逢いたい気持ちが
高まっていった

でも僕は埼玉
麗奈は雪国

簡単に
逢える距離では無かった

その上に僕の稼ぎは
決して良くはない

僕は悔しかった

『逢いたい』と言う
麗奈の想いに応えられず
泣きたくなった

そんな
万年金欠病の僕の為に
麗奈は埼玉への費用を
地道に貯め始めた

そんな話しを聞かされて
僕は決心したんだ

今月の給料が入ったら
僕は麗奈に逢いに行こう

そして給料が入った

完全歩合制の給料では
正直キツかった

でも僕は休みを利用して
麗奈には内緒で
麗奈の街に向かった

新幹線なら二時間だが
節約したかった僕は
鈍行で行った

6時間の道のりは
全く苦にならなかった

むしろ高揚していた

そして
麗奈の街に着く一時間前
麗奈に行く事を告げた

メール越しでも
麗奈の慌て振りが
とてもよく分かった

そして僕は
麗奈の街に降り立った




~続く~




付き合いが始まってから
二人のメールは
更に増えていった

僕の性生活も
赤裸々に語った

『初めて麗奈に逢った時
襲っちゃうよ』なんて
半分は本気の台詞にも

『うん…良いよ
満たしてあげるよ』と
返してくれた

どんな話しをしていても
麗奈は本当に明るかった

僕も凄く楽しかった

そんなある夜
麗奈から切ないメールが
送られてきた



人って欲張りだよね

最初はアナタとのメールで
満足してた

それが今は付き合ってる

それだけで充分なのに
もう耐えられない

声が聞きたい

寂しいよ…



僕は悔しかった

こんなに想いを
寄せてくれているのに
何も出来ない自分が
凄く情けなかった

そして決心した

サイトの厳しい管理を
どうにかかいくぐって
麗奈に携帯番号を
必ず伝えよう

そうして僕は
直ぐにある策を
思い付いた

策については正直
言う事が出来ない

とにかく僕は
サイトの管理側から
忠告される事もなく
麗奈に携帯番号を
送る事に成功した

何故にアドレスではなく
携帯番号かと言うと
数字の方が楽だったし
何よりも僕の本気を
信じて欲しかった

麗奈が暗号解読してから
僕は眠りに入った

そして翌朝
Cメールを経由して
お互いのアドレスと
携帯番号を交換した

麗奈は
とても喜んでいた

麗奈も仕事中なのに
何度もメールしてきた

そんな風に
はしゃぐ麗奈を本気で
愛しいと思った

僕は夜中の二時に
仕事が終わる

そして
三時頃には家に着く

僕の帰宅中も
麗奈はメールしてくれた

そして家に着いた僕は

『いつになったら
声がきけるだろうね』

そうメールした

それから数分後
麗奈から電話が来た

麗奈は夜中なのに
旦那に気付かれない様に
外に出てくれたらしい

僕は慌てて電話に出た




~続く~




いきなり麗奈は

『私の顔の写メを
サイトのアルバムに
五分だけ載せるから
見て欲しい』

そう言ってきた

何を言ってるんだ…?

それが
率直な意見だった

そして
丁重に断った

しかし麗奈は
しつこく迫ってきた

僕は理由を尋ねた

すると麗奈は
『私に好意を持っている
メル友がいるんだけど
写メを見たがっているの

でも私は
好きでもない人に
写メは見せたくない

私はアナタに
見てもらいたいの』と
そう言ってきた

それは遠回しに
告白された様で
僕は正直ドキッとした

麗奈に
惹かれ始めていたのは
気付いていたが
好きとまでは
言い切れなかった

だけど僕は
必死になっている
麗奈の意志を尊重した

そして
麗奈の外見を
初めて知る事になった

麗奈は内面と変わらず
外見も素敵だった

麗奈への想いは
止まらないな…
そう確信した

そして6月末
ついに麗奈は
告白をしてきた

僕は少し
返事を待ってもらった

本当は僕の中では
直ぐにでも
付き合いたかった

でも僕は悩んでいた

人間不信気味の僕は
人を信じきれなかった

きっと付き合ったら
もっと好きになる

でも本気のラインは
越えない自信があった

そして僕は
七夕の日に麗奈に伝えた


麗奈…
こんな俺を想ってくれて
ありがとうね

俺も麗奈が好きだよ

このサイトは
規制が厳しいから
サイト内だけの恋愛で
終わるかもしれない

でも俺は
麗奈を一途に想うよ

愛しています

そして二人の付き合いは
始まった

この一週間後
二人はサイトを
抜け出す事に…

更にその一週間後
初対面する…




~続く~