若手くんの言う通り、私は包容力があるのかもしれない。優しいかもしれない。

だけどね、私だって怒ることもあれば、毒づくことだってあるんだよ。落ち込んだり泣いたりする、欲張りな生身の人間なんだよ。

それを感じさせないのは、それは、やっぱり、社会人歴も重ねて得たある種の社交辞令で隠している部分もあって。

そこに全く気付かない若手君は、まだ若いんだと思うけど。

外から見た私を鵜呑みにして、私が決して怒らない、欠点が無い女性、と思っている若手くんは、やっぱり、私を本当には「見て」いないんだよね。

片方がもう一方を神聖視し過ぎてる場合、そこに対等な恋愛関係なんて成立しないから、もし若手君の気持ちを私が受け入れたとこで、実際には、怒ったり機嫌悪くなったりする私を見て、若手君が冷めるのは目に見えてるもの。彼は、そういう不機嫌な私を想定していないから。

ちゃんと相手を見てないのは、実は、若手君、貴方のほうなんだよ……