第1話:犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)について | みなとまちアニマルクリニックの「裏」ブログです。

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こんにちは。こちらは「非公式」ブログです。書いている内容は、あくまでも著者の一意見であり、賛否のご判断はお任せします。読み飛ばす程度に呼んでください。僕は自戒のつもりで書いてます。

 

パテラパテラって簡単にいうけど

 

案外間違った知識で言葉が乱用されてることが多いように感じます。

 

なのでちゃんと学びましょ。

 

膝蓋骨脱臼の診断は簡単じゃないです。

 

2次病院の整形外科を受診される膝蓋骨脱臼疑いのワンちゃんが

 

実は跛行(びっこ)の原因が全然違ったということは多いらしいです。

 

実際に1次の僕のような獣医からしても

 

パテラじゃなくね?治療方針あってるの?みたいなシーンは多いです。

 

膝蓋骨脱臼は犬種、年齢、脱臼の方向によって

 

鑑別が必要な疾患や治療方針が異なります

 

一番相談の多いトイ犬種、小型犬種の非外傷性内方膝蓋骨脱臼を中心に書いてきます。

 

トイ犬種や小型犬種の膝蓋骨脱臼は明らかな異常がわからないことも多く

 

飼い主さんも気づいてないことが多いです。

 

これを逆に捉えると

 

跛行を主訴に来院された時に膝蓋骨脱臼を認めたとしても

 

それが跛行の原因じゃないこともあるということです。

 

これは一つポイントです。

 

なので他に後ろ足が変な理由をしっかり除外するべきです。

 

若齢の小型犬ならレッグペルテス、外傷

 

若齢の中型犬以上の子なら股関節形成不全、外傷、前十字靭帯損傷、汎骨炎

 

中高齢の小型犬なら前十字靭帯、脊髄疾患、股関節脱臼、免疫介在性関節炎、腫瘍

 

中高齢の中型犬以上の子なら前十字靭帯、骨関節症、腫瘍、脊髄疾患、股関節脱臼、免疫介在性関節炎

 

というような感じです。

 

左右どっち?発症時期やその経過。跛行の頻度。なんかがヒントになりますので必ず獣医師に伝えてください。

 

内方脱臼による特徴的な歩様異常は間欠的なスキップ歩行です。

 

主にグレード2の片側の内方脱臼の子によく見られます。

 

膝蓋骨が内側に脱臼すると

 

痛みや違和感を伴わない突然のスキップ歩行や後ろ足の挙上が認められます。

 

膝蓋骨が正常の位置に戻ると足をつけるようになり

 

元の歩様に戻ります。

 

この時に犬自身が膝蓋骨を整復するために

 

膝を屈伸させるようなシーンが見られることもあります。

 

次の回でもっと飼い主さんが知りたいことを書こうと思います。

 

ほら、一気に書いちゃうと損でしょ?笑

 

では。