どうぶつ医療ローン | みなとまちアニマルクリニックの「裏」ブログです。

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こんにちは。こちらは「非公式」ブログです。書いている内容は、あくまでも著者の一意見であり、賛否のご判断はお任せします。読み飛ばす程度に呼んでください。僕は自戒のつもりで書いてます。

 

スルガ銀行さんのどうぶつ医療ローンの広告が入ってました。

 

まあそれについて書くつもりはないです。

 

その広告に掲載されていた

 

当社にご相談の多いケースと治療費(一例)

 

ココを見て率直に思ったことです。

 

やっぱり医療費というのはブラックボックスだなと。

 

がんと一口に言っても何の「がん」なのか

 

治療の種類は

 

抗がん剤(内科)なのか外科をしたのか放射線をやったのか。

 

治療期間はどれくらいなのか。

 

何のがんなのかを調べるための検査はどう言った検査なのか。

 

肥満細胞腫のように針刺すだけで大体診断ついてしまうようなものなのか。

 

MRI撮ってその腫瘍の形態から髄膜腫と仮診断したものなのか

 

内視鏡入れて腸の細胞を取ってきて診断がついたようなものなのか。

 

それとも色々な検査をした挙句

 

回り道をして

 

結局エコー下でリンパ節さしたらリンパ腫と診断のついたものなのか。

 

病気については不特定要素が多すぎて一概にこれくらいかかるのように言われている

 

書かれているのが不思議でなりません。

 

先日も新しく論文が出ていた尿路系の腫瘍に効く抗がん剤がありまして

 

バイアルで18万円で仕入れられるということでした。

 

なので18万円で提案しました。

 

こういう場合は治すことが優先事項だと考えています。

 

おそらく移行上皮癌(上記の尿路系の腫瘍)に対してはNSAIDsという

 

ロキソニンと同じ機序の薬が使われるのが普通で

 

上の18万円の抗がん剤はうちの院長やその後友人の腫瘍認定医の先生のような

 

アンテナ張りまくってる先生しか知らないわけで

 

その足で他の獣医さんとこにセカンドオピニオンに行かれてしまうと

 

勉強してないがゆえに

 

高い!うちならこうだよというお話になってしまい

 

無知がゆえに名医になってしまうわけです。

 

まあうちなんかは悪目立ちしているので

 

セカンドオピニオンが多い環境で

 

そういうところには逆にすごく気をつけているのですが。

 

逆に猫の尿路結石で50〜70万円とありますが

 

そんなかかる?と思うわけです。

 

実際は結石と言われながら

 

その結石の成分も調べられないまま

 

手術だーとなる場合も多いようで

 

例えば猫の尿路結石で手術適応になるのは

 

シュウ酸カルシウムの時だけで

 

何だかなあと思うわけです。

 

尿道結石を作る環境は特発性膀胱炎が圧倒的に多く

 

僕なんかは教科書どおりに環境の整備から入ろうとするので

 

薬を出すことはあまりないのですが

 

ステロイド、抗菌剤の処方が多分一般的で

 

後者はお薬代とお注射代がもらえるわけです。

 

そもそも尿路結石という言葉ですが

 

石が尿管という腎臓から膀胱につながる部分に詰まることと

 

膀胱から淫部までの尿道に詰まることとは全然違います。

 

尿管結石は猫の不調の原因の一つですが

 

全くもって検討されないことが多いです。

 

という意味で診断も難しいですし

 

ここに手術を施すとなれば確かに50〜70万というのも頷けるのかなあと思います。

 

膀胱にある石をとって50万なら僕なら良心の呵責で寝られなくなるかもしれません。

 

猫のFIPの100万円〜200万円はいわゆるムチアンを使用していると思うので

 

何となくそれはわかります。

 

まあ何が言いたいかって

 

どうしても値段だけのインパクトで物事を考えてしまいがちですが

 

ちゃんとそこが考慮される土壌になればなあと思うんです。

 

フィラリア薬のネクスガードスペクトラ 一つがA動物病院では2200円だった。

 

B動物病院では2000円だった。

 

しかもB動物病院ではセット割引がある。

 

じゃあBはいい病院じゃんとなりがちですが

 

ちゃんと医療費で辻褄合わせてると思います。

 

それができるのが自由診療です。

 

健康診断のパッケージも僕個人ではおかしいと考えています。

 

確率論的になることの少ない甲状腺機能低下症が

 

何十人もいること自体おかしい。

 

つまりは健康診断でルーチンで甲状腺ホルモン測定してるわけですが

 

医学的には「偽の」機能低下症を誘発するので測定するなと言われています。

 

本質的に機能低下症を疑う時にだけ測定すべきです。

 

要は症状ありきなんですね。

 

甲状腺のお薬は半永久的に飲まなければいけなくなるわけですが

 

病院の運営としてはラッキーですよね。

 

毎月お金入ってくるし

 

何たって甲状腺ホルモンのお薬はそこまで副作用がない。

 

で元々病気じゃないわけですから

 

元気になったね、お薬のおかげだねということができる。

 

僕おかしいこと言ってます?

 

こういうこと書くと叩かれるかもしれないので

 

ジャンプを腹に入れて歩いてます。

 

嘘です。

 

だから正々堂々とこれにはこれだけお金かかって

 

どれにどんだけ投資して

 

自分はこういう生活してて

 

ってのを書き続けてるわけです。

 

すごいいい先生だねと思われる方もいると思いますが

 

自分の生活レベルを落としてまで

 

どうぶつ医療に全てかけようと思ってはいません。

 

仕事は嫌なことなので、せめていい仕事がしたいだけです。

 

全然聖人君子じゃありません。

 

僕もまあ有名youtuberたちと同じくらいの世代なので

 

ぶっちゃけ世代なんでしょうね。

 

誤魔化すより敵作っても正々堂々としてたほうが

 

めんどくさくなくていいと思っちゃう世代です。

 

 

 

 

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