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わりと新しいお薬(注射薬)でこんなのがあります。
以前は院長のブログで紹介していましたが
僕のブログはアメーバという強目のプラットフォームで
当院の患者さん以外の方も見ておられる方がいらっしゃるので書いてみます。
ソレンシア → フルネベトマブ(猫):ネコ化抗神経成長因子モノクローナル抗体
リブレラ → ベジンベトマブ(犬) :イヌ化抗神経成長因子モノクローナル抗体
というドラクエ的な正式な薬品名があります。
ソレンシアならびにリブレラは商品名ですが
わかりやすいので商品名で書いてきます。
日本国内で承認を受けているのは変形性関節症に伴う慢性的な疼痛緩和を目的とした治療薬としてです。
変形性関節症の内科的な治療の基本は疼痛管理です。
プラスαで体重や運動管理(理学療法含む)です。
僕らが飲むロキソニンやバファリン的な痛み止めが選択されることが多いです。
しかしながらこういうNSAIDsというお薬には腎機能障害や
長期連用に伴う消化管障害など副作用があります。
老齢の犬や猫にいきなりメタカム1発とか僕は怖くてできません。
(※ いきなりとは腎数値などを調べずにということです)
それと比較し、リブレラやソレンシアの排泄は肝臓や腎臓に依存していません。
異化作用によりアミノ酸に分解されて排泄されます。
よって副作用が発生する危険性は低いです。
ソレンシアやリブレラの作用点である神経成長因子は
発育中の神経系においては、特に感覚神経の発達と維持
末梢神経の発達に重要な役割を果たしています。
しかし、大人になると末梢神経における神経成長因子の役割は
侵害受容に関わる神経の活動の調節へと移行します。
変形性関節症の病態では、炎症性サイトカインの影響により
障害された組織から神経成長因子が放出されます。
そのために、慢性的な変形性関節症の子の関節内では神経成長因子濃度が上昇しています。
こっからはクソムズですし、僕もよくわからんので書きませんが
つまりは神経成長因子がたくさんあると
痛み感度が上がっちゃうために
じゃあそれを抑え込んであげようというのがソレンシアとリブレラです。
ソレンシアは1mg/kgを月に1回皮下投与。
リブレラは0.5mg/kgを月に1回皮下投与。
という感じで使います。
神経成長因子は神経系の発達に関与するため
1歳未満の子、交配予定の子、子供を育ててる子には使っちゃダメです。
ちなみに今のところ、打ったところに脱毛、皮膚炎、痒みなどの報告はされていないということです。
ソレンシアもリブレラもタンパク質なので過敏反応(アレルギー)が起こることはあり得るので注意は必要です。
ソレンシアもリブレラも効果発現までには時間が必要です。
最低でも2回投与以降に効果判定を行う必要があります。
なので打ちたい方は2回打つことを考慮してください。
今のところ、自分の周りではかなりいい薬です。
変形性関節症だけでなく、疼痛緩和という意味でも薬効があるのではないでしょうか。
(これは私感なのでエビデンスもクソもありませんのでご注意を。)
近年報告されたばかりの治療薬は
これから知見を重ねていく必要があります。
正式なupdateを待ちましょう。
では。