臨床の現場では
来院初期において鑑別疾患やその優先順位を
正しくつけられないケースが存在します。
そのため、実際の現場では
漠然と対症療法を施したり
漠然と検査を進めることもあります。
しかし、それは診断や治療の遅れにつながったり
動物への身体的負担や飼い主さんへの経済的負担に繋がります。
なので、今回は「下痢」を例にして書こうと思いますが
書きたいことの要旨といたしましては
①来院の初期段階で的確な鑑別疾患をあげること
②その優先順位をつけること
③必要な検査を選択し、組み立てること
というのがどんなに子でも必ず必要不可欠であるということを
飼い主様がわの皆様にお伝えしたいなと思いました。
どういうことかというと
下痢だね。
じゃあ注射打っとくね。薬も夜から飲んでね。
で一旦は良くなったと見せかけることが獣医師には可能です。
アルアルなのはステロイド一発でしょう。
これほどの害悪はなくて
例えば「下痢」であれば、難しい病気をかなり隠しちゃいますし
適切な診断が難しくなります。
だから診断は適切に丁寧に行うよう心がけてます。
ここで別の問題が発生します。
「丁寧」に診断プロセスを組んでいこうと試みると
飼い主さんからにはこう映ります。
なーんだ。
一発で治らねーじゃん。注射もしてもらえなかった。
場合によっては検査日程を組まされた。
あそこの先生なら直ぐ治してくれたのに。
そして、今や口コミの世の中。
怖い怖い。
だけどですよ。
本当に時間もお金も浪費してしまうのは「適当な診断治療」の方です。
時間とお金だけじゃなくて「命」まで削り取られます。
ついでに言うと、「丁寧」な診断・治療
つまりは「丁寧な」診察は時間がかかります。
ありとあらゆる可能性と選択肢を飼い主さんとお話しします。
僕が自分で診察するときは
飼い主さんの事情を鑑みながら
「僕ならどうするか」を話します。
選択するやり方は必ずしも医学的なセオリーではないかもしれませんし
場合によっては超医学的なことかもしれません。
だけれども、先ずは「医学的な正しい筋道」というのを飼い主さんに
必ず理解してもらおうと努めます。
待合は混雑します。
お分りいただけますか?
ということで②から下痢の子がきた時に
僕ら獣医師はどう考えるのかについて書いてきます。
では
:::::::::::::::::::::::::
〜 おまけ 〜
こっからは読まなくていいです。
今回このテーマにしたのは
近所の方が最近トイプ飼ったんですが
近くの動物病院は混んでいるから
ほとんど人の出入りがない、同じく近くの病院の方が良いと勧められたと
僕の母にしてくれたことが理由です。
先ず、僕の住んでいるのは「みなとまち」から10kmくらい離れてます。
僕の家は土建屋だと近所の方は認識してますし
僕のことは跡取りだと思ってるので
そこに利害関係や思惑はありません。
ここでの登場人物お二人は少なからず、閑古鳥の泣いている病院がいいと思ってます。
それもそれであり。
考え方は人それぞれ。
ワザと空いている環境を作り出して、一球入魂という商売の仕方もありますし。
まあ、医療は経験則にも物いう部分がありますので、やっぱり症例は多い方が良いと思いますが。
この業界は情報が平等になるオープンな業界じゃないので
情報がある程度平等に行き渡るまで僕はこういうことを書き続けます。
混んでるのには理由がある。
話がぐっと戻るけど
内視鏡してステロイド使うことになるなら
内視鏡しないで使ったっていいじゃん
とう理論は内視鏡ちゃんと持ってて使ってる先生がいうセリフ。
では。