31歳軟弱獣医師の考察 〜実はちょー怖い痛み止め〜  〜腎臓病は痛み止めのせい?〜 | みなとまちアニマルクリニックの「裏」ブログです。

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こんにちは。こちらは「非公式」ブログです。書いている内容は、あくまでも著者の一意見であり、賛否のご判断はお任せします。読み飛ばす程度に呼んでください。僕は自戒のつもりで書いてます。

ごめんなさい

 

少し煽る感じですかね

 

一般的に処方される「痛み止め」は必要なときには絶対必要です

 

「痛み」に対しての介入は「生活の質」をあげてくれますし

 

僕の考える医学の最も根幹を成す部分だと思います

 

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じゃあ何が怖いのか

 

結論から言うと

 

腎臓病を誘起する可能性がある」

 

という点に尽きると思います

 

少し細かく見て見ましょうか

 

 

おそらく一番よく使われる「痛み止め」は

 

 

この「メタカム」というお薬でないでしょうか

 

色々な剤型があり、注射薬もあるので

 

僕も好んで利用します

 

メタカムというのは「商標」であり

 

本名は「メロキシカム」、NSAIDsいう種類のお薬です

 

みなさんよくご存知のロキソニンと作用機序は同じです

 

上の図はアラキドン酸カスケードという有名な図です

 

体に炎症が起きるときに起こる反応を

 

カスケード(滝)に例えて、順に羅列しているものです

 

その上流の方を抑え込むのがNSAIDsというお薬です

 

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図の一番下に書いてある細かいこと全部避けることができます

 

ですが、よーく見て見てください

 

よーく見ると体にとって必要なことが書いてあるんですよね

 

簡単にいうと、痛みを抑えることはできますが

 

引き換えに体に必要な反応も押さえ込んでしまうわけです

 

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中年齢以降の子に

 

結構安易にNSAIDsを使用することは散見されます

 

腎臓病の絶対それ原因でしょ?みたいな子は犬猫問わずよくみます

 

そのあたりのケアは大山院長に譲りますが

 

有名な整形外科の先生の講義の中でも

 

使用前に腎臓はチェック

 

使用して1週間で再評価

 

その後も継続的に使用するなら継続的に評価していく

 

と話されてました

 

 

国際猫学会と全米猫獣医師協会はNSAIDs長期投与のガイドラインを出してます

 

ガイドラインが出るくらい注意しなければいけないということです

 

要約すると

 

・ 肥満猫では理想体重で初期投与量を決める

・ 効果の認められる最小投与量で投与する

・ 減量は回数減らすのではなく、1回量を減らす

 

といったところです

 

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当院では使用にあたり

 

必ず、急性腎不全を起こす可能性をお話しし

 

可能であれば

 

腎機能モニター(血液、尿量、尿比重、尿タンパク)など検査させていただきます

 

食欲が低下したら投与中止

 

脱水や貧血があれば改善を図る

 

などは努力しています

 

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このブログはあくまで「非公式」ブログです

 

だけど、出所がしっかりしてたほうが

 

説得力ありますし

 

匿名だと逃げる感じがしてなんかやだ

 

 

口悪いかもだけど許してね

 

大げさかと思うかもですが

 

痛いんだね?はい、痛み止めです

 

は僕の考え方だとアホすぎる

 

医者なぞ不要ですね

 

最近おったまげたのは

 

高齢の子に何も検査せず

 

(レントゲンは撮られていること多い)

 

NSAIDs2週間分とか30日分処方

 

よくならないからおたくで見て欲しい

 

これが、何回もあるんです笑

 

うちなんか若造が2人の大した病院じゃないのに

 

僕の中ではその先生は最早「腎臓クラッシャー」です

 

ちなみに副作用は腎臓だけでなく

 

消化管に出る場合も多いですよ

 

僕らもエスタックとか空きっ腹に飲んじゃダメですよね

 

だからNSAIDs使うときは

 

対策のために付け合わせのお薬をお出しすることもあります

 

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という痛み止めは最高のお薬だけど

 

適当に使う薬じゃないんだよというお話です

 

別事業では僕を獣医じゃなくて

 

ただの動物好きだと思われてる方が多いです笑

 

獣医だといってないので

 

そういう方とお話しするときに

 

あの病院は検査が多くてやになっちゃう

 

あそこは検査せずにわかっちゃって、薬だけ出してくれる

 

そういう声を何度か聞きました

 

僕は必要な検査なら、むやみに薬だけ出す先生より

 

よっぽどマシなんじゃないのかなと思います

 

最近は180度変わって

 

何でもできることはしてあげてという患者さんが多い印象ですが

 

それはうちの病院のブログとかでいらっしゃる患者さんに

 

バイアスがかかってるからだと思います

 

こういうところで、どっちがいいのかなあと

 

根強く発信してきます