『どうする家康』第21回の話 その2 | 星野洋品店(仮名)

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とある洋品店(廃業済み)を継がなかった三代目のドラマ感想ブログ

織田信長さんが、とうとうぼくらのイメージ通りの南蛮服姿で登場しました。あのキルティングの胴着って、GUあたりで買えそうですよね?

 

髪型も総髪(そうはつ)から月代(さかやき)を剃った野郎頭(やろうあたま。成人男性の髪型)に。男性の髪型の総称として〈チョンマゲ〉と言ってもいいんですが、語源的には正しい表現ではないです。

 

〈チョンマゲ〉は髻(もとどり。頭上に束ねた髪)を横から見たとき〈ゝ(ちょん)〉の字に見えるように折り曲げて元結(もとゆい/もっとい。紙や麻糸で作った紐)できつく縛り、毛束を頭に添わせる髪型を言います。月代を剃ること自体は本質じゃない。

 

ちなみに〈ゝ〉は踊り字と言って、同じ字を繰り返す符号。「おなじ」を変換すれば出せます。

 

 

さっき〈月代を剃る〉と書いてしまいましたが、これもまた正しくない。なぜなら、質のいい剃刀が普及するのは江戸時代になってから。つまり、戦国時代の月代は、剃るんじゃなくて抜くんです。毛抜きで。眉毛を整えるために抜くのも結構痛いのに、あの面積の髪を。あああああああああああ!

 

剃る場合でも剃刀の質が低いわけだから、あんなツルツルを保つのは至難ですよ。ぜったい何度も流血してるはず。あああああああああああ!

 

それでもね、月代を剃らにゃならんのですよ。兜をかぶったときに蒸れないように剃るわけですから、「俺はいつでも戦えるぜ!」というファイティングポーズなんですよね。信長、がんばってるなぁ。彼は総大将で最前線には出ないから、長時間兜をかぶる必要もないんですがねぇ。