第52回「悠々自適」句会 個人的な感想 | 風の日は 風の中を

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~職場や学校で不安感に悩んでいる方へ~
「不安とともに生きる」森田理論をお伝えしたいと思いブログを書きはじめました。
2011年9月からは、日々感じたこと、心身の健康などをテーマに日記を綴っています。

悠人さんのブログで第52回「悠々自適」句会が開催されました。

 

私が選んだ8句について書かせていただきます。

 

山稜の囲む夏空しほむすび    悠人さん

 

令和時代となって初めての「悠々自適」句会。

いつも句会のとりまとめをしてくださる悠人さんが最高得点者でした。

今回の句会のメインテーマは「遠近・大小の組み合わせ」だったのです。

この句で作者とともに、清々しい夏空を見上げ手元の塩むすびを味わいました。

夏空が山稜に囲まれているところが綺麗。

「しほむすび」の旧かなづかいが素敵。

美味しかったです。悠人さん、ありがとう!

 

 

墨打ちの大工の指や風光る   まるちゃん2323さん

 

職人さんが仕事に集中している様子が目に浮かびます。「大工の指」に視点を絞ったころがいいですね。

風光るの季語が活きています。

 

夏の霧晴れて城門開きけり   寿々さん

 

「霧」という消失していくものと、重厚な城門の組み合わせが良かったです。

「晴れる」「開く」。二つの動詞が爽快感をもたらしました。

 

雨蛙林の奥に何かある   風花さん

 

季語の雨蛙。小さな生き物にとって「林」はとてつもなく大きな世界でしょう。その林の奥に「何かある」という言いまわし。どんな物語が秘められているのかワクワクします。


風薫るオックスフォードの鐘の音   すなみさん

 

オックスフォードということは、聖堂の鐘が鳴っているのでしょう。私は現地に行ったことがないのですが、この句によって連れていってもらえました!

実は自分も今回「聖五月」を感じる句を作りたいなぁと挑戦し、あまり上手くいきませんでした。すなみさんの句には大満足しました。

 

夏霧に大仏の顔遠きかな   寿々さん

 

私は「夏霧」の季語が大好きです。作者は「城門」の句と同じ寿々さんでした。夏霧にかすむ大仏の顔。近づくにつれ少しずつ姿が見えてきたでしょうか。そういう拝観も神秘的でいいですね。


山の藤小川を跨ぎ天うねる   静可愛さん

 

山の藤をダイナミックな表現で描写されました。

句会のテーマ「大・小の組み合わせ」でいうと「天」が大、「藤」が小となりますが、近景の藤に焦点を当てたことで、「天が、うねる」(そのように見える)という表現になっています。そこが、とても面白く感じました。


屏風ヶ浦穴から出でし潮招   痺麻人さん

 

屏風ヶ浦、「東洋のドーバー」ですね。

雄大な景色と小さな生き物、潮招き。

潮招はカニの仲間で、オスは左右どちらかのハサミがとても大きいのです。シオマネキ一体のなかにも大・小の対比!とても

味わい深い句でした。