水難と火難 | 風の日は 風の中を

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~職場や学校で不安感に悩んでいる方へ~
「不安とともに生きる」森田理論をお伝えしたいと思いブログを書きはじめました。
2011年9月からは、日々感じたこと、心身の健康などをテーマに日記を綴っています。

(前記事のつづき)そういうわけで、次男誕生以降、私の心に存在する差別意識をロコツにあらわさない・・・ということが、生活上の留意点となった。

しかし次男は、いろんな意味で私の手にあまる子だった。
長男は、次の行動が予測しやすく、また動作がゆっくりした子どもだったので、私は、いつでも彼をつかまえることができた。おんぶも好きで、私のそばから離れることはなかった。

次男は何もかも、長男と対照的。生後10ヶ月で歩き出したが、よちよちではなくスタスタ、という感じで動作が速く、行動の予測もできにくかった。(いたずらや危険な行為を予防しにくい)

ある夏の日の夕方、二人をお風呂に入れようとしていた。
脱衣場で私が着替えの準備をしていたら、長男がボートのかたちをしたおもちゃを、湯舟に浮かべるのが見えた。
次男は、湯舟の外でお風呂の縁を持って、つかまりだちをしていた。
次男は手の平で、お湯をパチャパチャはねて、うれしそうな様子。
自分ひとりでは、湯舟に入れないので、抱き上げて入れてもらえるのを待っていた。
入れてあげなきゃと、お風呂に移動したら、次男は、湯舟の中に落ちており、ひとりで背泳ぎをしていた。長男は『上手だねぇ』と、それを見物していた・・・
あわてて次男をお風呂からひきあげる。大泣きする次男。

長男は、何がおきたか理解しておらず、『○○ちゃん、おさかなみたいに泳げてすごい~』と、のんびりした口調で話す。

ボートのおもちゃをとろうとして、身を乗り出し、飛びこんで、そのあと背泳がはじまったんだ、と落ちていった一部始終をみていたようだった。

死なせるところだった・・・と放心し、そのあとの記憶がはっきりしない。
びしょびしょのまま抱き上げた次男のあたたかいからだの感触だけは覚えている。

1歳のお誕生日を過ぎたところで今度は火難にあう。
その頃、部屋の片隅に座布団を積み上げていたら、次男が突進して、突き崩したり、砂場で砂山を作ったら次男が一瞬で蹴散らす・・・という場面をみて、『小高く盛り上げたものを破壊したい子なのかな?』と感じていた。

ある日、遊具がある神社境内で遊ばせていた。
私たち以外に高齢の男性がいて、草むしりをされていた。

神社の片隅に焚き火をしたあとがあった。
灰が小山のようになっていた。
次男を見たら、すでに焚き火あとに突進していた。
煙さえ出ていない灰の山だったが内部は高温で、そこに手を突っ込んだ次男はやけどを負った。

大声で泣きわめく次男を抱えて、神社内でお水が出るところをさがそうとしたら、ゾッとするくらい冷たい視線を感じた。
草むしりをしていた男性が一言も発さず厳しい表情でこちらをじっと睨んでいた。

想像だが、焚き火はこの男性が境内を清掃中に落ち葉とかを燃やしたものではなかったのか。
善意で掃除をしていたところ不注意な母親が、こどもにやけどさせてしまい『迷惑だ』と顔にかいてあった。
無言であることが、怒鳴られる以上に恐ろしい雰囲気で、私は泣き叫ぶ子を抱いたまま、神社の隣の民家に助けを求めた。
その家の庭先に水道の蛇口と、年輩の女性ふたりが立ち話している様子が見えたので、助けてもらえるのではないかと思った。

しかし、断られてしまった。神社の男性ほどではないが、同情してくれる空気はなく、自宅に連れてかえって手当てをするしかないとあきらめた。
出ていこうとしたら、女性の一人が『やけどにはアロエがいい』と言って庭にあったアロエを手折り、次男のやけどの手に握らせようとした。そのアロエにはトゲがあって、トゲに突かれて次男はますます泣いてしまった。
親切なふりの意地悪?と疑うくらいトゲを押し当てるので、『けがをしていない子にもたせてください』と頼み長男に持たせ、走って自宅に戻った。

その後1週間くらい通院して治癒した。

その神社がある地域に嫁いでいる友達にやけどをした時の話をすると、友達は『ここは田舎だから、よそ者にはつめたいのよ』といった。

アロエのトゲで次男をつついた奥さんに1年くらいして再会した。
私のほうは、相手の顔を覚えていたが、むこうさまはお忘れだった。
ニコニコしながら、次男に何歳なの?と聞く。

『私の家の隣の神社でやけどしたお馬鹿さんがいて・・・』と、あのときの話をはじめるではないか。

わかっていてわざと?それとも、あの時の親子だと本当にわからないのかな?

『はい、私たちがそのおバカさんです。その節はお騒がせしました』と名乗りあげると、奥さんはマンガみたいに口をあんぐり。
やっぱり、知らないで話していたのかもね。


その後も何かにつけてケガをする日々が続く…

軽傷ゆえ、笑える思い出になった出来事をかいてみた