本当の悲劇。

『あのね、今日は雨の匂いがするの』



うん。雨が降ってたからね
でも、もう雨は上がったからお散歩行くよ

ピチャッピチャッピチャッ



ほらね、雨は上がってるでしょう

『うん。。。でも。。。』

でも、なぁに



『ママがね、雨の日はエマは抱っこだって言ってたの 大型犬なら濡れようがどうなろうが構わないけど、エマは小さくて可愛いから雨に濡れたら可哀想だってママが言ってたの』

へぇーそうなんだー
でも今、雨降ってないからねぇ
それに、

『大雨の日はお散歩短めで、おトイレがすんだら室内で遊んで下さいあと、歯磨きとか』

って言われたことはあるけど、そんなこと言われた覚えはないけどなぁ



『でもママがね・・・・』

分かった、分かった
あとで確認しとくから
とりあえず今日は雨降ってないしサッサと歩いてくれる

『サッサとって、そんな言い方・・・』



ほぉら、雨は上がってたんだから自分の足で歩いたって全然濡れなかったでしょう

『うん。。。でも、エマの可愛い足が冷たくて冷たくて・・・・・』

何いってるの
冬の雨の日なら寒いだろうけど、今は夏だよ
蒸し暑いくらいでしょう
そうやってすぐに悲劇のヒロインぶるのはお止めなさい



『エマ、悲劇のヒロインぶったりしてないっ だって、お世話係と二人きりっていうのは誰がどう考えても本当に悲劇だもんっ
』

えっ そうなのっ





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