発車のベルがホームに鳴り響く。
白くボヤケた息が君を霞ませる。
サヨナラも照れくさくて言えなくて、君に好きとも言えずにいつももやもやしてる。
静かにドアが締まり、僕は君を見送った。
「またね」
そう聞こえた気がした。
少し目を潤ませ、発進する電車。
これでお終い。
もう会うこともないだろう。
遠くに行く君を静かに見送った。
あれから何ヶ月数年経ち、久々にメールが届いた。
「結婚しました」
あの時僕は。
どうして伝えられなかったんだろう。
サヨナラも好きですも言えずに、いつも君を想っていた。
涙こらえるのに必死で頭が痛くなって。後悔も沢山した。
口下手で想いも伝えられず、遠くに行った君を想いも。
今では後悔の日々。
好きでした。幸せになってください。
そう伝える事しか出来なかった。
静かに連絡先を消して僕はあの時の発車のベルを思い出していた。