三十三間堂で行われる新年の風物詩、柳の御加持。


この日は、拝観料が無料になることもあって、大勢の参拝客で賑わう。


三十三間堂の仏様たちがドドドンと並び立つ姿は壮観で圧倒されるが、中央にはひときわ大きな千手観音菩薩が鎮座されておりパワーが強烈で視線が釘付けになる。


柳の御加持の当日は入り口で申し込みをし、ご祈祷料3000円(令和6年の場合)を支払って、祈祷を受けたい人(その場にいなくても良い。私は自分ではなく家族の名前でお願いした。)のフルネームを小さな和紙に筆で書いてもらう。


その小さな和紙の入ったファイルを持って、中央の大きな千手観音菩薩さままで行き、ファイルごと係員に渡すと、祈祷を受ける人だけが入れるエリア(千手観音菩薩の目の前)に並べてある椅子に座って祈祷の順番を待つ。


祈祷は、1人ずつではなく複数の人と同時になるが、とにかく申込者数が多いので、しばらく巨大な千手観音菩薩の前で座ってしばし待つことになるが、これがとても癒される。


ご祈祷が終わると、受付で書いてもらった名前を挟んだの木製の札とお下がりがいただける。お下がりは(私の記憶が怪しいので、抜けてるものもあるかもしれない)、細い棒の先にお守りのついた部屋に飾るお守り、身に付けるお守りが3種類、今年の暦、柳の楊枝、中央のご本尊の御影。


忘れそうになったが、タイトルの「柳のお加持」は偉いお坊さんが、参拝者一人ひとりの頭の上に、金属の棒で御加持された水をつけてくださるもの。これは無料拝観でお堂の中に入ってきた人全てが受けられるが、受ける寸前に三宝があるので小銭を用意しておくと、気持ちよく御加持を受けられるし、お気持ちをお供えさせていただける。


数年前に病院に入院している人を見舞った翌日に、この柳の御加持を受けたことがある。この時かなり興味深い経験をした。


病院に行ったせいか、何かがついていたのか、頭に御加持を受けた瞬間、頭のてっぺんから見えない何かがバサーっと落ちた。


例えて言うと、養殖の牡蠣を船上に水揚げするときに、クレーンで釣り上げた牡蠣のワイヤーのてっぺんをバチと切った瞬間、牡蠣がバサーと落ちてくる、あの感じ。


それまでに柳の御加持は何度も受けていたが、このような経験は初めてだったので、不謹慎ながらもう一回建物を1周してスタート地点に戻り、再度柳の御加持を受けてみたが、既に1回目で落とされているせいか、2回目は何も起こらなかった。


気のせいでは片付けられない、見えないパワーを感じた経験だった。