歌手であれ、ミュージシャンであれ、俳優やお笑い芸人さん達であれ、大衆相手に芸能的なサービスを提供して多額のお代を頂戴出来る理由は、彼等が魔法の空間を作り、一時的に大衆を魔法にかけて現実を忘れさせてくれるからです。
この空間を経験することで、大衆は様々な意味で癒される訳です。
だから魔法の空間には現実的な問題や課題を無節制に持ち込むのは御法度だと考えます。
エンタメ産業に従事して魔法の空間を提供する人々は、思想信条を超えた感動や喜びを大衆に提供するのが仕事です。
個々の思想信条を訴えたいなら別の空間を用意し、別の方法を使って訴えるべきでしょう。
事前に現実的問題を訴える空間であると知らされているならば、来訪者は行く、行かないを選択する事が出来ます。
ディズニーランドに行ってミッキーマウスが憲法改正反対等のプラカードを持っていたら、あなたはどう感じますか?
魔法の時間を求めて来訪した無防備な観客に対して思想信条を訴える演出をし、発信者との共感を強要するような演出や行動は騙し討ちに近いと思っていますし、とんでも無く利己的な人間が使う方法です。
こうした配慮や知識や知恵もなく、自身の名声を利用して一方的な主義主張をする人には大変な違和感を持ちますし、来場者に失礼です。
来場者の中には主役の発する政治的な背景に共感を覚えない人もいるでしょう。
小泉今日子さんの武道館ライブの本演出に意見具申をする人が居たのかいなかったのは分かりませんが、こんな質の悪い自己満足演出を実行したことだけを見ても、彼女の成熟度が分かります。
加えてエンタメ産業の従事者、特にミュージシャン、俳優、タレントらの様々な政治的な発信は、発信に関わる知識の底が浅く、認識も不十分で、感情的な言説が多く、読むに耐えられる内容は皆無です。
私は元エンタメ業界人ですが、こうした人々には何ら共感を覚えませんし、彼等の勘違いが度し難いと思っています。
例えば憲法9条保持を主張する人々は、9条の気高い精神性や美しさを理由に致します。
9条が平和を守っていると言う人も居ます。
しかし実際には日米同盟と自衛隊の戦力、経済力、地政学的な有利等が守って来たのです。
逆に9条があるために北朝鮮に拉致された日本人を救出に行けません。
また自衛隊の継子扱いにしていると言う弊害もあります。
憲法は最高法規です。
加えて実務を規制する法律です。
決して日本国の意思や意見表明や精神論を発信している文章ではありません。
中国、北朝鮮、ロシアと言う核保有国に囲まれて、特に中国の軍事力の拡大が顕著な中、現実的な危機に対応出来ない欠陥を内在しているバグだらけの憲法は、改正するのが普通なのです。
従って精神論は不要です。
憲法改正論議は実務論だけで良く、精神論や美的論を語る人たちは、全く議論の対象になりません。
こうした論の違いや思考過程の違いを見ていてアーティストと呼ばれる人たちの主張の薄っぺらいさに失望し作品からも距離を置くようなりました。
自分でも残念だと思うことがあります。
