日本保守党界隈がざわついている。
同党初の候補者だった飯山陽氏からの様々な批判は昨年より止まらず、彼女の選挙時に応援演説をなさった長谷川幸博氏も今や同党の批判側にいる。
また同党の支持者からは、批判側への批判が集中しているらしい。
保守層に購読者が多い月刊Hanadaは25年3月号で日本保守党に批判的論陣を張る飯山氏の論文を掲載すると決めたらしいが、その情報を入手した日本保守党の百田尚樹代表と有本香事務総長が編集長に対して直接の異議申し立てを行い、その後有本氏は、同紙上に定期連載していたコラム執筆を辞したと明かした。
そんな中、石平氏が日本維新の会から7月の参議院選挙に立候補すると表明したが、日本保守党に近いとされた同氏の立候補先が維新であったことでざわついている。
こうした一連の動向を外野からみていると、人間の世界は極めて複雑で面倒だと感じる。
それぞれの立場において考え方や微細な違いはある。
また、それぞれの立場においてちょっとした瑕疵もある。
Nobody is perfectだからだ。
しかしマクロで見るとここに登場する人々には一致点が多い。
基本的に故安倍晋三元総理の政治指針を支持しており、財政方針は概ねリフレ派であり、政治的にはいわゆる保守派の範疇だ。
従って日米安保を軸にした安全保障環境と自由で開かれたインド太平洋路線を了とし、憲法改正に賛成である。
日本保守党の成り行きを見ていて残念なのは、同党は既に国政政党でありながら、幹部2人の言動に未成熟さを感じる点だ。
百田尚樹代表の関西系な方言は言論人としてはともかく、政党代表としては危うさを感じるし、本来なら百田氏の方言の手綱を持っているはずの有本氏が、思った以上に機能しておらず、拍車をかける役割を担ってしまっている。
また政党交付金の受理や歳費を満額では受け取らないとしていた公約は既に破られており、党運営の実態は、事情上幹部2人の独裁運営だ。
この構図、何処かで見たことがある。
いずれにしろ、こうした齟齬は、保守層の有権者に微妙な心理を与え、特に行き場を失った自民党保守層の期待度が高かったことから、高い失望感がある。
左翼言論の対立に似た構造は反対側の言論にもあり、人間は行き着く先は皆同じ、という皮肉な現実を見せられた気持ちになった訳だ。
左翼は仲間割れすると殺し合いが始まるが、保守派も行き着くところ、似て非なりなのだ。
さて、心配なのは自民党左派勢力が主軸にいると国が危うくなる、という点だ。
野党の大半は左派勢力であり、本来なら自民党右派が主軸にならないとバランスが悪い。
左派系が政治の主導権を握ると、ばら撒き→増税→経済悪化、というお決まりのパターンに陥る。
失われた30年を繰り返す可能性が高いのだ。
立民の枝野氏は、金利を上げることが経済が良くなると語っていたが、本来は、インフレ目標に合わせて経済対策をする事で経済が良くなり、インフレ率が適正な数値まで上がると結果として金利が上がるメカニズムである、
またインフレ目標は必ず失業率を見据えている。
枝野氏の経済音痴は甚だしい。
立民は野田氏や小川氏は財政再建、増税論者だ。
この連中が政治の中枢を握れば日本経済は破壊的なダメージを被る。
従って良識ある右派の力の結集が望まれる。
その中での日本保守党を始めとした保守界隈のバトルは残念だし、各人において冷静に一致点を見極めてほしい。