失敗は成功の元、という言葉を聞いた人は多いだろう。
でも実生活や職場等で実感出来ない人も多いだろう。
それには理由がハッキリとある。
本書はそれを判りやすく解説している。
様々な「失敗」は「財産」として有効に機能させ生かせるが、人間は自己保身のためにそれを拒絶してしまう、ということだ。
本書で解説されている失敗に関わるキーワードを並べてみる。
◎認知的不協和➡自己正当化
◎累積淘汰➡試行錯誤や自然淘汰
◎講釈の誤り➡後付けで理由を説明し講釈する
◎反事実➡誤りを引き起こした事実は、実は見えなくなってしまう
◎ランダム化比較試験➡ランダムな環境で比較検証して結果をデータ化する
地位の高い人、高学歴の人でも人間である以上、失敗や誤った判断をする。
しかしそうした人ほど自己正当化をする傾向が強く、従って失敗から学ぶ機会を失う。
また地位の高い人間の場合、社会的影響が小さくない。
警察、検察、裁判所がそうだし、政治家、官僚もそうだ。
民間であれば、管理職、経営者がこれに当たる。
人類の進化は恐ろしく長い時間をかけて現在に至っている。
その過程で自然は試行錯誤を行い自然淘汰される。
企業や業務においても同様なのだ。
失敗がなければ成功への道は開かれない。
失敗は財産なのだ。
この本は非常に分かりやすく、丁寧にそうした事を教えてくれる。