9月7日、ジャニーズ事務所がジャニー喜多川氏の性加害に関する会見を開いた。
報道等で見た人は多いだろう。
結論から言えば、ジャニーズの商号は残し、ジュリー氏も残留。
ジャニー喜多川氏に対して悪魔の所業と罵った東氏だが、根本的な課題解決を提示せず、現状維持を選択したということだ。
この機に根本的な改革の痕跡がないのは、それらはやらない、というメッセージと言っていい。
その後のテレビ局の対応、スポンサー企業の対応は様々だが、明らかに違和感があるのは、世界標準とはかけ離れているという事だ。
アメリカの映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性暴力疑惑は裁判で有罪となり、過去の業績も抹消された。
ハーヴェイ・ワインスタインは、政党、大学、教授などに寄付をしていたが、多くは返金した。中でもある教授はハーヴェイ・ワインスタインから寄付を受けていたことによって大学や関係機関の地位を追われた。
性加害者と噂されていた人間と金銭関係を持ったということは、特に欧米では厳しい視線に晒される。
NHKのクロ現では、NHKや番組が過去のジャニー喜多川氏の性加害問題を無視してきた点の総括を番組化したが、会見後のジャニーズ事務所との取引をどうするかについては言及しなかった。
日本は良くも悪くも和の国のため、社会がどう見るかを気にしてしまう。
影響力のある会社が本格的に動き出せば足並みを揃えるという感じだろう。
しかし、グローバル企業には注意が必要だ。
ジャニーズ事務所の問題は、企業として長年性加害を隠蔽し、タレントパワーを使ってメディアの報道を封じてきたという反社なみの行動様式にある。
そういう企業と経済関係を維持することは、ジャニーズ事務所を容認することに外ならず、従って関係企業や個人は関係性を維持するだけでその一味と言われる可能性を排除しないことになる。
性加害に厳しい海外に視点を置けば、輸出による売上の大きい企業がジャニーズ事務所と取引していることがプラスになることは全くない。
国内の視点だけで考えると大きな落とし穴にはまる、という点で、本件を軽く見ている大手テレビ局や周辺メディアは、今後スポンサーの対応如何では、その考え方を根本的に見直さざるを得なくなる可能性が高いとも言える。
常識でものを考える事を辞めれば、淘汰される。それだけである。