山下達郎さんへ
7月9日のサンデーソングブック内での「説明」放送から約1週間が経過しました。
私は、もう40年を超える達郎さんのファンで、CDアルバムに関しては全て網羅しており、1980年以降、毎ツアーに参加し続けるするほど、ある意味、ダイハードなファンの一人と言っていいと思います。
しかし個人的にはガッカリ致しております。
私はあの日以来、達郎さんから山下達郎の音楽を聴かなくていい人間に分類された気持ちでいるのです。
長年のファンですか達郎さんが、昔から頑固で怒りっぽい人で、こだわりが強く、しゃべる時はべらんめえ口調の方だというのは理解しております。
そういう個性は、ご自身の音楽に適度な形で反映され、それらが長い間、私を魅了してきたことも事実です。
職人肌の音楽制作は、口で言うほど容易いものでなく、それをブレずに実現している達郎さんや産み出された音楽にずっと敬意と魅力を感じておりました。
しかし先般のラジオ内での最後の「捨て台詞」は余分だったと思いました。。
正直言って心の中に大きな陰が差してしまいました。
コロナ禍の苦難の時代においても、普段のライブ会場においても達郎さんは、”お互いに助け合い、
今はそういう言葉も全て消え去りました。
以下、いくつかの理由を書き記します。。
◎松尾氏に対して憶測に基づく発言が契約解除の主要因であると言いながら、達郎さん自身はジャニーズ事務所の件について何も知り得ない、と断言しました。
達郎さんが何も知り得ないなら、松尾氏の話が憶測かどうか分かるはずがありません。この矛盾はどう考えておりますか?
◎そもそも会社内の契約解除に関わる極めて内部的な問題です。
松尾氏がSNSで発信したのであれば、達郎さんもご自身の公式ホームページでテキストや音声データを掲載することで対応出来たはずです。
従ってご自身の放送では、その事実だけを伝える事で済ます事も出来たでしょう。
東京FMも楽天カードも本件には全く関係ありません。
ご自身の冠番組であることと、公の電波を使ってご自身の会社の内部問題への発言をすることは別問題で、普通の社会常識ではこうした事は絶対に行いません。
余りにも世間ずれした対応でした。
◎本来、スマイルカンパニーは、松尾氏の発言と契約の中途解除をリンクさせる点において契約上適切な経緯を経て行うべきでした。
松尾氏の日刊ゲンダイでの解約経緯が正確であると仮定すれば、小杉社長の仕事の進め方は極めて杜撰で素人以下です。
仕事が杜撰であったため、契約解除後になってから、松尾氏がツイッターであのような発信をすることを許したしまったとも言えます。
キチンとした会社であれば、契約解除は契約上有効な措置かを法務部か弁護士と確認し、契約書では明確な規定がない場合、解除の理由を納得してもらえるように一定の時間をかけて話合います。
その上で、契約解除に関わる契約書を作り、双方に守秘義務を課します。
松尾氏が達郎さんに関する言及をした発信を行ったことは、決して褒められる行為だとは思っていませんが、達郎さんもラジオで松尾氏の契約解除の中身に触れた事も褒められる事ではありません。
◎犯罪行為を主導した元経営者との間の義理と人情に全てが帰結するなら、反社会勢力と同じ目線であり同じ情緒という事になります。
一部上場企業の会社の社長が、長年に渡って従業員に不適切な性的行為を繰り返していたとしたら、第三者として達郎さんは受け入れられますか?
◎全国放送で説明した達郎さんのコメントは、実に杜撰でした。
あの中身に関しては、多分、スマイルカンパニーの誰も添削や意見をしていないのだろうと推察します。
公式声明には重みがあり、
しかし達郎さんは、誰にも添削を許さなかったのでしょう。
そういう環境を作ってしまった事自体、達郎さんの弱みになりました。
私は以前、とあるオーナー会社に勤めていた際、そのオーナー社長が、突然のように”今後は社員同士での飲み会を禁止する、社員同士での飲み会をすれば会社の悪口を言うからだ!”と言い放ちました。
私はそれを聞いて、このような低レベル(そもそも憲法違反)の考え方を会社の正式な方針として云い放つ人間、見た事がないな、と感じたものです。
ある意味、達郎さんの今回の説明には、同じ匂いとベクトルを感じました。
以下、スピーチの専門家が分析し、東洋経済に掲載されていた達郎さんのコメントの問題点の解説がございます。
プロの視点らしく、極めて明快です。
やはり、あのコメントはキチンと第三者を入れてドラフトをし、その後何度か添削をし、精緻な文章として発信するべきものでした。
それがしなかったスマイルカンパニーやそれに気が付けない達郎さんの在り様に、私は「愕然」としているのです。
余りにも前近代的過ぎるでしょう。
9月に開催されるライブチケットが取れてしまっております。
今更キャンセルするのも面倒なので仕方なく行きますが、
今回ほど、座席を一番後ろにして欲しいと思った事はありません。
演奏はきっと非の打ちどころのない素晴らしさでしょう。
でも物凄い高い壁の反対側で演奏を聴いているような感じになりそうです。
グッズも買いません。
クラッカーも持参しません。
そういう気分にさせてくれたのは、他でもない達郎さんでございます。
この衝撃の癒しがいつか訪れる事を祈るばかりです。