多くの人たちは、若い時代に憧れの歌手や俳優さんたちがいただろう。
私にもいた。
ティーンの時代に憧れたミュージシャンの影響で、音楽が好きになり、やがてそれを生業とする業界に入った。
実に素晴らしい体験もしたし、素晴らしくない体験も沢山したが、全て思い出の彼方だ。
還暦過ぎてからも、そして元業界人であっても、エンタメに対する思いはそれほど揺らがなかった。
今でもコンサート等を楽しんでいるし、音楽も毎日聴いて生きている。
しかしここ数カ月、その魔法が解けそうな気がしている。
私もいい年なので、例えばミュージシャンの多くが、実は社会不適合な素養を持っているや社会常識の無い部分があることは体験的に理解していると同時に、彼らが実に優秀なクリエーターであることも理解している。
ミュージシャンが社会と繋がっていられるのは、ひとえに産み出した音楽の力によって世に問えるからである。
但し、社会不適合な素養を持っているにしても、やはり程度問題はある。
薬物を止められないとか、社会的に許容出来ないほどの行動、発言、表現等をすれば、作品と社会のつながりすらも破壊しかねない。
またエンタメ業界や芸能界が実は、かなり歪な構造で成立している。
法律的にはアウトだと言えるような商慣習を未だに業界常識として運用している実態がある。
建設業界においても実際には談合があるが、エンタメ業界にも近い部分がある。
金を稼ぐエンジンを持った組織や個人には、なかなか対抗し難いのも事実だ。
現実の社会、それはそれだと理解している。
それでも超えては欲しくない一線というものもある。
今、それが崩れるかもしれないという感覚がある。
もしそれが起きたら、もう私の魔法も完全にとけてしまうだろう。
7月9日14時からの例のFMのラジオ番組を聴いてから考えます。