ある意味でこれは告白と懺悔の文だ。
今を去る事約20年ほど前、日本にまだ韓流ブームが起こる前の時代から、私は韓国ドラマとの関わりを持ったビジネスを始めていた。
当時、冬のソナタはNHKのBSでひっそりと放送開始していた時代で、韓国ドラマはマイナーなコンテンツだった。
また韓国に対する冷ややかな目があった時代で、コンテンツの質も3流だった。
その後、2004年春、NHK地上派で冬のソナタの放送開始に合わせてペ・ヨンジュン氏が来日。第一次韓流ドラマブームが始まった。
当時においても、日本と韓国の精神的、政治的距離は遠く、私はコンテンツを通じて両国の距離が近くなり、お互いに理解を深め、それが深化することを希みながら仕事をしていた。
まだ黎明期の韓国ドラマコンテンツの輸入業務と日本での展開をしていたが、第一次韓流ドラマブームと共に事業が成長、拡大するのを目の当たりにし、その渦中にいた。
韓国出張は40回以上程度はあったろう。
多くの韓国人とも仕事を共にした。
優秀な人たちにも出会った。
それから20年余を経て、韓国ドラマはジャンルとして定着し、K-POPは若年層の人気音楽ジャンルになった。
私はその時代の過程を殆ど当事者として生きてきた。
さて、今の私の気持ちを総括すれば、「コンテンツを通じて両国の理解が深まる」などと云う事は絵空事と断言できるという、悲劇的な結論に達している。
政治的に見れば、盧武鉉、李明博、朴槿恵が大統領として政治を司っている間、日韓関係は一方的に悪化していった。
そして止めを刺したのはウルトラ左派で北朝鮮親派の文在寅だった。
何故こういう事になってしまったのかは自分なりに理解が出来ている。
実はその間、韓国から日本へのコンテンツ輸出は飛躍的に伸び、1000億円に達する勢いだった。
しかし多くの日本国民は知らないのだが、この間においても韓国の地上波放送局で日本のコンテンツが放送されたり、利用されることは無かった。
私は韓国との実務経験を通じて、物凄い違和感を感じる事が多かった。
その違和感の正体を知るため、韓国の歴史、日韓関係の歴史、ハングル語、儒教などを自習した。
そうしたやっと韓国国民の正体を理解出来るようになった。
20数余年、韓国と実地に付き合った分かったのは、韓国の心の奥底には「反日」で一致するという現実が共通言語がある。
当然なのだが、彼らが子供の頃から教育されている内容は、捏造に近い歴史で、特に日本は圧倒的な悪者として教え込まれる。
これを読んでいる人で、韓国にシンパシーがあるのなら、以下を確認してみると言い。
ソウル市の中心部に独立門という観光名所がある。
この独立門の由来を韓国人に聞いてみるといい。
大多数は、「日本からの独立を祝って建てた門」だと回答するはずだ。
実際は、日清戦争で日本が勝利し、清の属国だった韓国を日本が独立開放をした事を祝った門だが、韓国国民にとってその事実は不都合だから教えられていない。
キチンと解答出来た韓国人がいたとしたら、自立的に学んだに違いない。
韓国国民は儒教を基本OSとして信奉している。
中国の属国としての歴史が長く、韓国も小中華思想の国家として存在していた歴史が長いからだ。
従って韓国にとって日本は蛮族の国家で、未だに心の底ではそうだと思っている。
蛮族国家の日本に事実上の占領をされた日韓併合は、受け入れがたい屈辱なのだ。
その蛮族国家の日本は、戦後に経済成長をし、世界のトップ3の経済大国となった。
韓国が日本への対抗心を異常なほど見せつけてくるのはそういう背景がある。
本来は自分たちの方が上の存在であるはずなのに、そうでない現実は受け入れがたい、それが韓国全体の共通した空気と言っていい。
流石にビジネスパートナーたちはそれを表に出すような失礼な事はしてこないが、彼らの奥底には「金になる時は別の取り扱い」というルールがあったように見えた。
ペ・ヨンジュン氏が日本のファンを家族というような表現をしていたが、実は金にさえなるのなら、嘘も方便という事に他ならない。
実際、韓国政府の反日的政策があると、自分たちのビジネスの邪魔だけはして絶対に欲しくないという本音を言う韓国人も多かった。
そういう意味で、韓国人は割り切りがハッキリしているといって良い。
つまり、心の底から繋がるなんてことは、韓国人が日本人の方を上だと認識しない以外にはないということだ。
多くの人たちはこの精神構造を理解していない。
なお、私がお付き合いした韓国人の中には、極めて普遍的常識を理解し、把握した上でキチンとした方もいたし、優秀な方も多くいた。
食事も美味しい。
それは彼らの名誉のために云っておく。
また在日韓国人で、本国の韓国人のビジネスマナーに嫌悪感を抱いている人間だっていた。
物事は全てが二項対立だけではないし、一面的でもない。
しかし、長年のビジネス的な関与を経験し、包括的に見て、私は韓国にうんざりしている。
だから業務的な関わりが終わった後、韓国ドラマも見なくなったし、K-POPも聞かなくなった。
正直、素晴らしい部分も知っているから、気分は複雑だ。
文在寅政権が終わり、尹錫悦政権になり、日韓関係改善への動きが激しいのは、私に
云わせれば、中国経済悪化に伴う韓国経済の悪化が顕著で日本との経済交流がないと立ち行かないことが明らかになった事と、アメリカからのプレッシャーもあり、有無を言わさず手を結んだようにしなければまずい、という極めて現実的な対応をしているだけだからだ。
かつて河野談話という愚挙を犯した日本政府だが、韓国には日本のように相手の気持ちを受け入れれば寄り添うという発想はない。
善意に応えるなんて発想を韓国との外交で持ち出すのは、愚かな行為だと知るべきだ。
反論しなけば認めたと考えるし、主張しなければ無い事と同じになる。
助けてあげても恩など感じない。
和を以て貴しとなす、という日本型社会は、残念ながら通用しない。
小中華の韓国は、日本を下と見ており、日本は常に韓国に対してそういう態度だと韓国は損をしますよ、と見せつけて上げなければならないのだ。
現在の若い人たちが韓国ドラマやK-POPを支持することはマーケットの問題だから致し方ないが、それなら同時にかの国の歴史や国民性、政治の有り様にも目を向けて欲しいと思う。
自分が関わっていた仕事なのにこの云い様は不本意だが、コンテンツが関わっている部分なんて、ほんの一面的な部分でしかない。
日本と韓国の関係は、戦略的観点では敵にならない程度に付き合うという事に尽きるだろう。親しくもせず、無視もせず、関わりもせず、という感じだ。
ある学者が、「助けない、教えるな、関わるな」と云ったが、言い得て妙だ。