ジャニーズ事務所の元所属タレントがジャニー喜多川前社長(2019年死去)からの性加害を訴えた問題を巡り、同事務所による謝罪や対応策について在京キー局が15日、朝の情報番組などで相次いで報じた、という共同通信社の発信があった。
外圧、つまり今年初頭のイギリスBBCのジャニー喜多川前社長からの性加害を訴えた問題を扱ったドキュメンタリー放送がキッカケになってやっと在京キー局の報道扱いまで来た。
さて、本件に関して、濃淡や立場はどうあれ、ほぼ日本国民全員が共犯者と言っていい。
ジャニー喜多川前社長の性被害問題は、過去の週刊文春が取り上げ、ジャニーズ側が敗訴しているが、この時点において、在京キー局の報道扱いはゼロで、その後も不問に付されてきた。
ジャニーズ事務所は、ジャニー喜多川前社長という特異な才能のお陰で数多の人気タレントを輩出してきた。
ジャニーズ事務所は、タレントというエンタメ業界の川上を押さえる事で、在京キー局への影響力を強めた。
在京キー局はジャニーズ事務所のタレントパワーを得て視聴率を稼ぎ、広告収入を得ていた。
視聴者は番組や出演CMとタレントが結びついた影響を受けて無意識・意思的を問わず商品を購入し、企業業績への貢献を果たすことになる。
加えてジャニーズ系タレントには多くのクリエイターたちも参画して作品への貢献をし、それがファンによって消費されることになる。
解散した嵐のファンクラブは300万人という驚くほどの会員数を誇ったというが、これだけの影響力の裏で、プレデターと言ってもいい行為があったことを知るのは辛いものだ。
こうしたジャニーズ事務所を中心としてエコシステムは日本全体に広範に拡がり、我々日本人は濃淡を持ちながらも共犯者となってしまったと言っていいだろう。
ジャニーズ事務所のタレントをCM等に起用している企業が叩かれている件について。
芸能、音楽業界において、ジャニー喜多川前社長の性癖を知らない人はいないと言っていい。
従ってジュリー現社長が取締役だった当時、この噂や空気を知らないはずはない。
但し、外部の人間で喜多川前社長の行為を目撃したり体験した人はおらず、また被害者から相談をされた人も稀と考えられ、あくまでもジャニーズ事務所内の出来事として片づけられ、文春の報道以外でこうした情報が出ることは稀だった。
今後の展開についてだが、高須クリニックの高須幹弥氏がYOU TUBEにアップしているコメントが未来予測としてありそうな感じだと思っている。
ポイントは2つで、広告主の企業の方針と地上波放送局の「世論」の扱い方だ。
仮にだが、何等かの形でジャニーズ事務所がこの危機を脱して存続した場合、地上波放送局が報道の仕方を間違うと、今後の事務所との関係性が悪化し、番組作りへの影響が出て、それは即ち広告収入を直撃する。
企業側も、一般消費者の反応を慎重に窺っていると思うが、どのレベルで収束するかによって、現在CM等で使っているジャニーズ事務所所属タレントの起用を考える事になるはずだ。
仮に世論の反発が想像以上に大きくなれば、契約解約を検討せざるを得ず、その場合、ジャニーズ事務所への契約違反金を求め、場合によっては損害賠償をすることにもなるだろう。
当然だが取引会社、広告代理店も相当な被害を被る。
こういう状況になるとジャニーズ事務所のタレントはテレビに出演出来なくなるだろうし、タレント価値が棄損する。
加えて被害者の賠償問題への対応もありジャニーズ事務所は事実上、芸能業務を停止し、後片付けに終始する事態になるかもしれない。
またジャニーズの名前も使用出来ない事にもなりかねず、そうなった場合は、事務所を解散し、タレント契約を解除し、開放されたタレントは独立するか、他の芸能事務所への所属という流れになるだろう。
こうなるとジャニーズ事務所は瓦解し、事実上、消滅する。
但し、相当な著作権を擁しているため、こうした資産管理会社としてだけは残るだろうが、今後の賠償に対応するために、資産の売却等を迫られるかもしれない。
また、それ程の世論の高まりや世論の攻撃も多くなく事が収まった場合は、一時的な活動自粛と一部の役員の交代と再発防止措置程度で事業を継続するかもしれない。
予測不能な経営的損失やタレントの独立等もあるかもしれないが、やがて収束してゆくだろう。
海外の事例を考えれば、存続はあり得ない。
少年への性犯罪を長年に判って放置した法人が、公的資産(電波等)を使ったメディアを使って経営的利益を得るというのは、余りにも不条理だからだ。
さて、どうならやら?