2023年以降の中期的日本経済の見通しは不透明だ。
日銀の次期総裁人事に雨宮氏の名前が挙がった。
当面は金融緩和を継続する姿勢を見せているため、激変はないかもしれないが、岸田政権によるアンチアベノミクスが日銀にも及べば不適切な時期に金融引締め策を実行する懸念がある。
この懸念は当たって欲しくないが、仮にこの懸念通りになると、以下のようなシナリオもありうる。
◎令和臨調は「利上げ」を求める。金融機関の利害代表的な提言。金融機関は経営的に利上げを望んでおり、この圧力が実際にあることが分かった。
◎「雨宮氏」はコテコテの日銀マン。それでもアベノミクスを近くで見ていた人なので多少の期待はあるが、最終的には令和臨調に同調する流れになる可能性が高い。
問題は時期。
◎2023年春以降、CPIとGDPデフレーターの数値に適切でない時期に政策金利の利上げが開始すると・・・。
➡円高傾向+住宅ローン金利上昇
➡可処分所得下落
➡住宅購入控え
➡住宅価格低下(住宅関連の消費冷え込み)
➡国内GDP低下(住宅関連は事業の裾野が広いため消費への影響が強い)
➡日経の株価が下降傾向に
➡デフレ傾向が強化
➡企業収益悪化
➡設備投資冷え込み
➡リストラと失業率が上昇傾向(自殺者増加含む)
➡賃金は据え置き圧力
➡国内GDPは横ばいもしくは低下
➡デフレスパイラルの発生
➡失われた20年の再来
日本の金融政策は、コアコアCPI(我々に身近な消費者物価指数)とGDPデフレーター(マクロ経済的な指標)の2つを見ながら決定する必要がある。
2022年10月の消費者物価指数はコチラ。
【月次 (前年同月比)】
・総合:+3.7%
・生鮮食品を除く総合:+3.6%
・生鮮食品及びエネルギーを除く総合:+2.5%
エネルギー価格の寄与度:+1.18
「全国旅行支援」の寄与度: -0.17 (試算値)
GDPデフレーター:-0.3(1.0以上がインフレ状態)
実は日本はまだインフレとは言えないということだ。
つまり、インフレでない状態で政策金利を上げると不必要な金融引締め策をすることになりデフレに戻す可能性を高くしてしまう。
日本のGDPが上がらず給与が上がらないのは、政府、日銀(+財務省)等の政策実行の誤りが発端だ。
失われた20年の反省の上で金融政策を対応しないとこの先にも暗い日本経済が待っている。
こうならないように政治して欲しい。