『ほんとうの定年後』という本がある。


本の中では多数のデータがあるが、その中から定年後の「15の事実」を導き出している。  

 

日本の平均的な会社員たちが直面する現実なのだが、

現在、63歳の自分にはどの程度当てはまるだろうか。

考えてみた。

 

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事実1 年収は300万円以下が大半 :

➡現在の私は、幸いこれよりは若干稼いでいるが、周囲の同年齢を見ると、これに近い感覚はある。

有体に言うと、退職後に人脈なしの転職や、継続雇用を選択しないと、大抵の人は高卒初任給以下の待遇になるのが現実なのだ。

 

実際、50代~定年退職時まで年収約1000万円(手取り760万円)前後だった私の収入は、退職後の継続雇用初期は、時給1,100円になり、月額手取り10万円程度になった。(高齢者継続雇用給付金は別途支給)。

その後、年収320万円(税込)に待遇が改善されたが(所得税10%の上限値)、高齢者継続雇用給付金を含めた手取りは現役時代の4割程度だ。

色々と周辺事情を調べると、これでもかなり良い方待遇だと思っている。

60歳を過ぎて現役並みの収入を維持できる人あ一つまみに近いだろう。

 

事実2 生活費は月30万円弱まで低下する 

➡私は60歳からは平均で20万円以下で生活している。
30万円の生活が維持できる人はかなりリッチな感覚を持っている。

これは来るべき、年金のみの生活を想定した対応に合わせるため、退職の10年前位から生活レベルを少しづつ落として実現している。

 

事実3 稼ぐべきは月60万円から月10万円に 

➡65歳以上になるとその肌感覚がある。

月10万円の稼ぎで十分な生活レベルにしておくと気楽な身の丈だが、10万円をコンスタントに稼ぐ事の出来る職種は限定的でもある。

 

 

事実4 減少する退職金、増加する早期退職 

➡その肌感覚がある。早期退職は更に増えるだろうと思う。

退職金は大手企業の場合、年40~70万円の積立てで対応している。

これは勤務年数に合わせた無税枠措置があるからだ。

退職金の減少は企業によるだろうが、中小企業は今後厳しいだろう。

 

事実5 純貯蓄の中央値は1500万円 

➡周囲には貯蓄ゼロの人もそれなりにいる。

実際60歳以上の25%が貯蓄ゼロだ。

住宅ローンを除く資産額が1500万円ならいい方だろうが、実はちょっと心許ない額だ。

ちなみに大正生まれの地方公務員の父の時代は55歳から年金が出ており、月額28万円程度だった。(現在母は18万円強を受給している)

両親が生涯でもらった年金額は1億2千万円程度だが、現役時代の支払い額と比較して10倍以上の利回りで受給しており、これが老後の両親の家計をそれなりにしてくれていた。

つまり我が家は国に1億円以上の預金を持っていたに等しかったのだ。

残念ながらもうこういう時代は絶対にこない。

 

事実6 70歳男性就業率45.7%、働くことは「当たり前」 

➡多分そうなるだろうと思う。今の30歳~40歳の人たちは80歳近くまで働く時代に生きる事になると思う。

私でさえも70歳くらいまでの労働を覚悟している。(もしくはそれ以上か・・)

 

事実7 高齢化する企業、60代管理職はごく少数 

➡この年齢の管理職は圧倒的に少ない。
大手で60歳以上で残れるのは特別な役員くらい。

(役員でも60歳定年となるケースは多い)

 

事実8 多数派を占める非正規とフリーランス 

➡その肌感覚がある。正直言うとフリーランスをやるなら、同年代の上場企業サラリーマンの2倍近い稼ぎがないと同等にならない。

サラリーマンは給与以外の福利厚生費f等(退職金、福利厚生費、社会保障費、等)が結構分厚いからだ。

 

事実9 厳しい50代の転職市場、転職しても賃金は減少  

➡50代で転職するなら、人脈で転職しないと賃金を維持もしくは上昇出来ない。

普通に転職すると多くは20代~30代前半の賃金に戻る。

 

事実10 デスクワークから現場仕事へ 

➡その肌感覚がある。結局営業職が最強なのだ。

 

事実11 60代から能力の低下を認識する 

➡これは事実。ジワジワと落ちて行くのが実感できる。

 

事実12 負荷が下がり、ストレスから解放される 

➡売上と利益の責任からの解放があるからだろう。

その分、賃金は下がる。

 

事実13 50代で就労観は一変する 

➡これは事実。50代になれば管理職とその他になる。

その他は給料が高いのに効率が悪いという印象と対象になる。

50代は管理職もしくは役員になれなければ、サラリーマンの最後の超えるべき壁になるのは間違いない。一番辛いのは役職定年後である。平でもなく管理職でもなく給与は高いから会社は扱いに困るのだ。

 

 

事実14 6割が仕事に満足、幸せな定年後の生活 

➡これはバラつきがあると思う。

6割もの人が満足しているのかな??

 

事実15 経済とは「小さな仕事の積み重ね」である 

➡経済とはマネーの供給量の影響を大きく受けるので、仕事の積み重ねとは関係のない部分もあることは理解しておくべき。

増税に慎重であるべき点は、マネーの量に直接響くためである。

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